ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

チョコボじいさん(01)

木で作られた柵の出入口から老人と女は柵の内部へ入った。

「お〜し、ほんじゃ、ごっくろうさん」老人は自らが引いてきたチョコボを解き放った。

「……いっぱい、いますね」ぼろぼろの白いマントを肩から垂らした女は発言した。

「そーだろ。…ほれ、歩いてったゲレゲレの横さいるのが、パパス。ほんで、あっち…二羽に挟まれてんのが、アルス。アルスの左がフローラ、右がビアンカ。アルスはオスで、フローラとビアンカはメスなんだぁ。…今は求婚の時期だかんよ〜。アルスにフローラとビアンカは言い寄ってんだで。チョコボはオスよりも、メスの方が堂々と迫ってくから。『わたしをお嫁さんにしてくんろ〜』とか…アルスさ、言ってんだ。アルスは一番もてるチョコボだかんなぁ〜」老人は指をさして、茶色いチョコボ達のことを女へ説明した。

「ゲレゲレ、パパス…アルスに…フローラとビアンカ…??」女は各々のチョコボの違いを全く判別できなかった。

「…そいじゃ、オラの家さ、おいでや〜」老人は笑って、柵の出入口へ振り返った。

歩く老人に女も続いた。

納屋を改築したかのような大きな木造家屋の前まで老人と女は移動した。

「あの木は元々、ここに生えてただ。木からとれる実はあめぇんだで。…そこにある畑はチョコボの野菜畑よ。チョコボ用の野菜はオラたちも食える。うめえぞ〜。…ガチャコン、と。ほい、入ってくんろ」老人は古びた扉を開けて、建物の中に入った。

女は「お邪魔します……」と言い、建物へ足を踏み入れた。

家の中は独特の香りがしている。

嫌なにおいではなかった。

「……いいにおい、しますよ…トンヌラさん…」女は老人へ第一印象を伝えた。

「香草だでよ」「『こうそう』?」老人の言葉を女は繰り返した。

「ん〜だ。いいにおいのする草があってよ、それをオラがこの玄関で乾かしてるんだで」老人は壁につるされている植物を触った。

枯れた色の植物は束になっており、40本近くが壁からつり下げられている。

「…へぇ…この、においなんだ…」女は一束つかんで、鼻を近づけてみた。

とても強い香りがした。

「あ…忘れてただぁ。この家…便所ねぇでよ。そんで、あんた用を足したくなったら…さっき、オラが言った木の所ででも、やってくんろ。木の根本さ生えてる葉っぱで、お尻とかふいてくれや」老人はすまなそうに女へ頼んできた。

「あ、あ…は、はい。わかりました」女はしっかりとうなずいた。

「んだば、昼めしにすっか〜、旅人さんよ。そろそろ〜昼時だかんよ」老人は笑顔を浮かべた。

「え…あたしも…食べていいんですか?」女の問いかけに老人は「もっちろんさ、オラ一人暮らしだから…食いもんが余ってるだぁ。旅人さんも一緒に食おうや〜」と返してくれた。

「あ…ありがとう、ございます…」親切な声に女は嬉しくなった。