ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

旅人(02)

女「家…?」

「んだ。オラ、チョコボ牧場やってるんだぁ。ほら、こいつもその中の一羽だよ」

チョコボじいさんは、チョコボの頭を触った。

女「茶色い、チョコボ…」

チョコボじいさん「山チョコボは、茶色だでよ」

女「『山チョコボ』…?」

チョコボじいさん「山さいるチョコボは、山チョコボ。河さいるチョコボは、河チョコボいうだ」

女「じゃあ…海にいるチョコボは…」

チョコボじいさん「海チョコボだで〜。だははははははははは…」

女「…あははははははは」

チョコボじいさん「笑い顔がいいなぁ、旅人さん」

女「あはは…おじいさんにつられて、笑っちゃいましたよ」

チョコボじいさん「そ〜か。…オラの家さ、来るか〜?」

女「いいんですか?」

チョコボじいさん「いいさ、いいさ、すぐだからよ。歩けっか?」

女は数歩、歩いてみた。

「あ…歩ける…みたいです…」

チョコボじいさん「もし、つらくなったらよ、チョコボさ乗ればいいだ〜よ」

「…ありがとうございます」

女はチョコボの横に来た。

チョコボじいさん「あんた、チョコボに乗れっか?」

女「はい、乗れます」

「よしよし、んだば、ついてきてけろ」

チョコボじいさんはチョコボの手綱を操り、踵(きびす)を返した。

丘の方へ歩き出してから、女が言った。

「……あ…あたし、『ラグナロク』…騎士剣、ないや…」

自分の腰を触っている女にチョコボじいさんは身体を上下させながら、返した。

「きしけん…武器…かぁ?…そんじゃあ、あんた、剣士かなんかか?」

女「そんなところ、でしょうか……」

チョコボじいさん「かっこええな〜。オラは、チョコボじいさんのトンヌラだ」

女「…へぇ〜、トンヌラさん…」

トンヌラ「んーだ。そういや…他のチョコボじいさんの名前、何つったかなぁ…ど忘れしちまっただぁ」

女「他にも…チョコボ牧場をやってる人がいるんですか?」

トンヌラ「ああ、いるでよ。けんども、そこさ行くんならよ、チョコボをすんげぇ走らせて、9日ぐれえはかかるで。…34年まえに会ったっきり、あいつさ会ってねえなぁ…元気にしてるべか」

女「…そんなに遠いんだ」

トンヌラ「そこまで、行ってみっか?」

女「いえ、いえ…トンヌラさんのところで、いいです」

トンヌラ「悪いようにはしねえでよ。安心しんさい」

「はい」

女は笑った。

歩いてきたトンヌラと女は、丘の頂上まで来た。

トンヌラが低地を指さす。

「ほれ。あれが、オラの牧場だぁ」

女は目を見開いた。

「……大きい…!」

トンヌラ「柵こさえるのが、一苦労だったんだぁ。柵たててるうちによ、チョコボがどっかさ、行っちまうでよ」

女「………みんな、茶色いチョコボなんですね…。何羽くらい、いるんですか?」

トンヌラ「んんん〜、だいたい…360羽ぐれえかなぁ…オラ、まともに数えてみたことねぇんだわ。けんど…一羽一羽、顔みたら、名前はわかるでよ」

女「名前…?」

トンヌラ「んだよ。例えばさ、こいつは『ゲレゲレ』ってんだぁ」

トンヌラは自分が乗っているチョコボの頭をなでた。

女「ゲレ、ゲレ…」

トンヌラ「『ゲレゲレ』は、すげえ食いしん坊なヤツでな…ちっとばかし、臆病なんだぁ」

女は足元の草を食べる『ゲレゲレ』を見た。

「ふ〜ん……」

トンヌラ「あの、細い道からさ、くだって行くだよ。こっちだで」

「はい」

手綱を握るトンヌラへ女はついていった。