ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

まとわりつく記憶

「…よし、今回は…これでいいかな。…!あ、そうだ…」

自分の手を見たラムザは机越しに立っている店長へ聞いた。

「あの…『天使の指輪』って、置いていますか?」

「『天使の指輪』かい?あぁ、あります…」店長はうなずいた。

「この…僕がはめているのと同じ物、ですか?」

ラムザは店の机の上に自らの左手を載せ、右手で指輪を指した。

「…んーん。…『アッズム』だね。…ある、あります。……ほら……これ…でしょう、お客さん……」店長は背後にあった戸棚から小さな箱を取り出し、美しい蓋を開けて箱の中をラムザへ見せた。

「……同じ、ですね。…なら、コレも一つ加えて…今日の買い物は終わりにします」

「はい。ありがとうございます。んじゃ…合計して…」店長は店の手伝いをしている娘へ言った。

娘「はーい」

ラムザが店内を見ていると、店長が話し出した。

「…お客さん、『天使の指輪』もそうですけど、アクセサリーの類は早めに買っておいた方が…いいみたいですよ。…前にゴーグで、でっかい爆発事故があったでしょう。その時に…あの有名なアクセサリー職人のアッズムさんが、その奥さんと二人して亡くなったらしいです。それで…アッズムさんの作ってたアクセサリーはもうこれ以上、作ることができないって…。何でも、アッズムさんの工房は丸ごと吹き飛ばされて……。アクセサリーを製造するための型枠自体が無くなってしまった、とかでして…。ウチら、商売やってる者は…“『アッズム』シリーズは高価になっていく”んじゃないかって…予想しています。だから…お客さんみたいに、今のうちに買っとくのは賢いですよ」

「…………」

暗い顔になってしまったラムザへ娘は明るい声をかけた。

娘「……計算終わりました〜。合計で、ピッタリ60000ギルになりま〜す」

ラムザはギルの入っている革袋をふところから出した。

彼が付けている指輪は店の照明に反射していた。