ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

製粉業者の娘(03)

「………ラ、ラムジャさん…そんなに……あたしらに…気を遣わなくていいよ…。あたしら…ラムジャさんを責めるつもりなんて、ないもの…」

立ち止まった女に男は振り向いた。

「え?……」ラムザの声をさえぎって、ラヴィアンは突然と大声を出した。

「あ、あたしらのことで困ることなんてないよッ。ラムジャさんが…思った通りにやればいいんだってッ。アリシアだって、アグリアスだって…同じように、考えているよッ。だから…だからぁッ!!」

様々な想いが入り混じって感情的になり、大粒の涙をこぼしてしまった女の顔は夕日色に染まっている。

そんな彼女が可愛らしく思えたラムザは、「………。……ありがとう、ございます」とだけ言い、ラヴィアンをそのまま抱きしめた。

「!??あ…あっ…ラム、ジャっ…さん?んん…っ…っ…!!」

ラムザが持っていた麻製の袋はラヴィアンの背中側にくっついている。

………男女は抱きしめあった。

人と同様に町で暮らしている鳥の鳴き声が高所から響いた。

これは二人のよく知る鳥の声であった。

そして、二人の周囲に他者はいなかった。

ラムザは言った。

「僕が……あなたを守ります」

「………。ラ、ラムジャさん……逆だよぉ…まま…守るの……あたしの方だよぉ…」ラヴィアンのくぐもった声がした。

「…はい?」ラムザが言うや、ラヴィアンはくぐもった声のまま続けた。

「……アグリアスと…アリシア……と、あと…あたしで…決めたの……『三人で協力してラムジャさんを守る』って…。あたしらは騎士だもん…。それで…アグリアスだけじゃ…アグリアス一人じゃ…手が回らない部分があって…ラムジャさんを守れないかもしれない…って、アリシアが言って…それで、それはそうだよね…って、あたしもアグリアスも…思って…アリシアと…あたしで……アグリアスの…負担を…少しでも…軽くしてあげよってなって……だからぁ、だからぁ……」

「…………そう……だったんですか…」ラムザは三人の女たちの自らへ対する想いをここで知った。

アグリアスだけではなく、ラヴィアンもアリシアラムザのことを愛しているのである。