ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

水の色(01)

女はベッド上に寝かされていた。

彼女の裸体をしばらく凝視していたラムザは、ごくりと生唾を飲み込んでから首を左右にふり、彼女へと大きな布をかけた。

ラムザアリシアはフォボハム領の城塞都市ヤードーへ来ていた。

この町では4ヶ月に一度、『市』が開催される。

イヴァリースの各地から様々な中古品が集まってくるのだ。

ラムザアリシアは「なにか掘り出し物があるかもしれない」と、二人で町へ訪れた。

『市』は10日の間、催されている。

ヤードー全体が「巨大な店」のようになっており、町中はとても賑わっているのである。

アリシアは役立ちそうな装備品を露店で発見し、それを巧みに購入した。

いつもは冷静な彼女がうれしそうにするので、ラムザも自然と笑ってしまった。

「…二人で歩いているから……恋人同士だと、思われてるみたい、です…。さっきの店の人にも…『お兄さん、いい娘つれてるなぁ〜』って、言われちゃいましたし……」ラムザが言った。

アリシアはにっこりして、「うれしいですよ。わたしは…ラムザさんと、なら…」と返した。

「……は…はい…」ラムザはドキリ、と胸が鳴ったのに気付いた。

ラムザもいくつかの買い物をして、二人は宿屋まで戻ってきた。

いつからか、二人は手を握り合って歩いていた。

人通りが多く、特に狭い道は混雑している。

離れ離れにならないように、とアリシアラムザの手をとった。

ラムザは冷たい手の女が一緒にいてくれて、うれしくなった。

そして、彼女を恋しくも感じてくるのだった。

夕方になるよりも先に二人は宿へ帰り、部屋の中で入手した品々を確認していた。

夜食の後、部屋に備え付けられている浴室へ入り、ラムザは身体を洗った。

小さな浴室ではあるものの、付いているだけで十分にありがたい。

昼間、町中を歩きまわったので汗や土ぼこりにて、彼は汚れていた。

身体を拭いたラムザが部屋に戻ってくると、アリシアが言った。

「わたしも…入ってみます」と。

ラムザに続き、アリシアも脱衣所に入っていった。

水の流れる音がする。

ラムザアリシアがいなくなった部屋内のベッドに座り、いろいろなことを想像しては胸を高鳴らせていた。

いけない、と分かってはいるが…考えてはいけないことを考えている自分がいる。

アグリアスさん……。

愛するアグリアスの顔が浮かんでは消える…。

アリシアはとても魅力的な女性だ。

ラムザはまだ若い男性なのである。