ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

戦士の務め(01)

どろどろに汚れたマントをはおっている剣士はさびだらけの剣を振りおろしてきた。

ザッシュッ!!!、という音がして男の代わりに背面を斬られた女は倒れ込んだ。

ラムザはラヴィアンが身代わりとなったため、強盗剣士の凶刃(きょうじん)から逃れられた。

野山を歩いていたラムザアグリアス・ラヴィアン・アリシアと一羽のチョコボは、モンスターの群れに囲まれた。

モンスターの集中攻撃を受けたチョコボはすぐに戦闘不能となってしまった。

4人は協力してモンスターを一匹ずつ倒していった。

すると、戦っている彼らへさらに別の敵が襲いかかってきた。

その敵とは、3名の人間で構成されている全身から悪臭を放つ野盗だった。

野盗の一人にラヴィアンは黒魔法を詠唱した。

氷塊でつぶされた賊は青い顔になって、ごろりと転がった。

アグリアスがまだ残っているモンスター数匹の相手をすることが決まるや、彼女は上から下へと剣を振るって『聖剣技』を放った。

仲間を殺された賊は闘争本能に火がつけられたのか、目をぎらつかせて武器をこちらへ向けてくる。

そんななか、ラムザは木の根につまずいてしまった。

ここぞとばかりに彼へ迫る賊は剣を振りおろしたが、剣の刃はラムザではなく走り込んできた一人の女の背中を切り裂いた。

ローブを斜めに切られたラヴィアンは結んでいた後ろの髪を落とされながら、ラムザの前方の地面へ倒れた。

「ああ!!!ラヴィアンさんッ!!!」ラムザが叫んだ。

彼の声に賊は、女と男を交互に見た。

その時、ビシュッ!!という音が風を切る音をともなって、鳴った。

ダツッ!!と音がした。

「んッ、んごおぉ、がわぁ、ばば…ンふぅ、ぐぇ、げぇ…」弓矢に首をやられた賊はあお向けに転がり、足をばたつかせた。

弓矢を引き抜こうと、もがく賊をもう一人の賊が見下ろした。

立っている賊がふり返ったと同時に、弓矢が飛んできた方向から次は手裏剣が投げつけられた。

つや消し黒の手裏剣は賊に刺さった。

「あが、い、いってぇぇーッ!!!」武器をとり落とした賊は両手で顔面をおさえた。

走ってきた女は自動弓を捨てるや、一対の忍者刀を腰から抜き、防具で守られていない箇所を狙った。

左手を斬られた賊は顔も斬られ、少女のような声で泣きさけんだ。

ひざを大地についた賊の背中や脇腹を女は二本の忍者刀で狙った。

金切り声を出していた賊はぐったりして動かなくなった。

忍者刀を持つ女はあお向けになって、ぜいぜいと息をしている賊の前まで行き、その者を直刀で攻撃した。

賊はびくんと両足を硬直させて、死亡した。

……イヴァリースの野外を歩くのは大変危険であった。

郊外地域にはモンスター以外にも、野盗が住みついているのだ。

これらの者たちは元国軍兵士だった者や四大騎士団から除名された者、傭兵だった者など、盗賊へと姿を変える前の各々の生き様は数え切れないほどに多種多様である。

賊へなった者たちは唯一有している技能を活かし、引きはぎをはたらこうとして通行人を襲撃するのだ。

単独では略奪行為が成功しないこともあるため、徒党を組む者たちが多かった。

3名の賊もラムザ達から金品を奪取するのが目的で、モンスターと戦っていた彼らの前に現れた。

内戦状態の畏国には『治安』という語句自体が存在していなかった、といってもいいだろう。

当時の畏国では相手を殺めることでしか、自らの安全を確保できなかったのである。