ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

人生の目的(01)

台所の床一帯は炎に包まれた。

焼けるにおいを「いい香り…」と、若い女は感じた。

若い女はもう一度、台所の壁と天井へ向けて黒魔法『ファイラ』を放った。

それから若い女は台所から出るや、一階にあるいくつかの部屋まで行き、火の攻撃魔法を詠唱した。

館の一階全体が燃え出したのを確認した黒衣の女は玄関から外に出て、館の裏側まで歩き、二階部分へも黒魔法『ファイラ』を放った。

古い屋敷は、内部と外部から燃えている。

生家は煙と熱で壊れ始めた。

建物の裏側から、黒衣の女が正面の門まで歩いてきた。

すっきりした顔の女は微笑みながら、門を出ていった。

六度の詠唱で二階も完全に炎上したのを見た若い女は、にこにこして現場から立ち去っていったのであった。

この火災で王都ルザリアの北側にあった『ハーディー家』の館は全焼し、館で暮らしていたアラン・ハーディー及びサラ・ハーディーは焼死した。

ハーディー夫妻の遺体は、ほとんど判別不可能な状態で発見された。

風の無い日の出火だったゆえ、「台所の火の不始末」として事件は処理された。

また、『ハーディー家』の館の周囲にある家へ被害はなかった。

この火災はイヴァリース終戦を迎えてから、10年後の冬期に起こったものである。

その日の夜遅くに宿屋へ戻った若い女は全身を浴室できれいに洗ってから、安物のベッドでぐっすりと眠った。

翌日、若い女ガリオンヌ領に向けて出発した。

若い女は王都の店で購入した剣や鎧、黒いフード付きローブなどを谷底へ放り込んでから、仲間の待つ建物を目指したのであった。