ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

不在な切れもの

「ほんとうに泡立ち、いい〜」ラヴィアンとアグリアスは広い浴室内で全身を白い泡だらけにしていた。

「…ロマンダ製の石鹸はそうよね。以前…モンスターと戦っていたら、一匹だけ残ったグレネイドが『自爆』して…私達は負傷しなかったが、衣服が『オイル』まみれになってしまったじゃろう。あの時も…ロマンダ製の洗剤が素晴らしい効果を発揮したわ」アグリアスは身体を撫で回しつつ、言った。

「だった、だった〜」ラヴィアンは白い泡で遊びつつ、返した。

「…これ……切れ味、相当に秀逸であるぞよ」アグリアスは手にとったカミソリの刃を確認した。

「……でしょ?それさ、アリシアからもらったやつなの。新品。『日用品として使う刃物は、カラムラム製を選んでおくと間違いないよ』って…出かける前にアリシアが言ってた。確かに…そうだよね〜」ラヴィアンが返した。

アグリアス「……カラムラム…か…」

ラヴィアン「……どこにあるんだっけ…?」

アグリアス「カラムラムの…場所?」

ラヴィアンの問いにアグリアスは返答した。

「えーと…ゼラモニア…地方…の、南側に位置していたような、記憶が……」アグリアスは述べた。

「…へえ。ならさ…そこから…ここまで、運ばれてきたんだ」ラヴィアンが言うや、アグリアスは「…うん。大事にしないと」と微笑み、カミソリをラヴィアンへ手渡した。

「うん。…アグリアスも使う?」ラヴィアンは自らの両脇を見てから、聞いた。

「いや、いい」アグリアスは答え、湯が入っている平たい容器で手を洗った。

……ザバーンと湯が浴室の床に落ちるや、小さな湯気があがった。