ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

ひかる結晶(08)

………。

………。

………。

………。

あたしが…今日、考えていた…コトも…見透かされているかもしれない。

…あんな、あんな…いやらしいコト…も……。

………。

ラヴィアンは黙って空を見ていることにした。

アリシアも口を閉じて、空を見ている。

…花火は次々とあがる。

宿屋の外からは子供たちの歓声が聞こえてくる。

酒に酔った男や女も声を上げて、笑っているらしい。

ラヴィアンは気まずくはなかったが……落ち着け落ち着け、冷静になれ冷静になれ、と自らへ言い聞かせようとすればするほど、自らの存在のみじめさに…困り果てた。

顔全体を紅潮させ、瞳にうっすらと涙をためて、静かに息をしようとしているラヴィアンへアリシアが声をかけた。

「……どうしたの?静かになったと思ったら…泣きそうな顔になっているけど?」

ラヴィアンは隣にいる友人を見た。

小粒の涙がぽろり、と頬を伝わった。

「?…悲しいことでも、思い出したの?」アリシアはそっと友人の涙を拭いてあげた。

「あぅ…あッ…あの…ア、アリシア…どうしよ…あぅ、ぁの…あたし……」ラヴィアンは自分自身が愚かしくも、悲しくも悔しくも切なくも感じた。

「なにが…??…花火のせいで……目が痛くなった?」アリシアはラヴィアンの手を取った。

しっとりと汗ばむ手に冷たい手が重なる。

「…うううん、ちがぁうぅ…。えっとえっと…あたし、いつまでも恋人いなくて、さみしくて…その…今日は特にヘンな気分になってて…一日中…いやらしいコトばかり考えちゃってぇ……。…考えててぇ……」ラヴィアンは涙をぬぐいながら、正直に話した。

「……『ヘンな気分』…『いやらしいコト』……。そうか…それで…。なるほど。だから…ははーん、なるほどね。うん、うん。…そうだったんだ、ラヴィアン」アリシアは大きくうなずいて、笑顔をつくった。

彼女の笑顔を見た瞬間、ラヴィアンはすさまじい安堵感(あんどかん)に満たされた。

……雪山で遭難し、もう倒れる寸前に人が建てた小屋を発見したかのようだった。

山小屋の戸を開けたところ、なんとそこには古くからの親友が座って火を焚いており、『おや、君はラヴィアンじゃないか。こんなところに…どうしたんだい?さあ、小屋へお入り。あたたまって、食べ物も好きなだけ食べるがいい』と、にっこりしてくれたのと似ていた。