ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

ひかる結晶(05)

腰のベルトを外しつつ、ラヴィアンが言った。

「…ラムジャさんと行動する前のアグリアスは…キリキリしてた。王女様の護衛任務を命じられてから…ずっと」

アリシアは相手が手渡してきたベルトや銃を受け取り、言葉を返した。

「…アグリアスの性格なら、そうなる。不器用で、生真面目で、一途(いちず)で、素朴で、純情な人だもの」

「…ね〜。ローラやあたしみたいに…息抜きできなくて、かたくなってばっかりでさ…。あんなのと四六時中行動してたら…こっちが精神的に参っちゃうってぇ」

ラヴィアンは背もたれ付きのイスへ足を投げ出して、寄りかかった。

アリシアは「あ…髪と首飾りがからまってる」とラヴィアンへ告げ、彼女の首から『炎』の結晶を取り外してあげた。

「あんがとッ。…ラムジャさんと修道院で出会ってから…王女様が誘拐されて、その王女様を救助して…ライオネル城まで行ったでしょう?そこで、王女様と二人で城に残るアグリアス……。ものすごく、さみしそうだった。ラムジャさんと目を合わせないように頑張っていてさ…。それから…バリアスの谷で、ラムジャさんやあたしらに再会した時のアグリアスの、あの顔……。『すぐにでも、好きな人に抱きついていきたい』って、顔に書いてあったし、不安でいっぱいになってて…もう、見てられなかった…」ラヴィアンは話しながら、低い机へとペンダントを置いた。

「…覚えてる。ゴルゴラルダ処刑場でラムザさんへ対して、“告白”してから…ライオネル城まで進んで…ルカヴィに変身した枢機卿(すうきけい)を倒した後…アグリアスラムザさんの手をいつまでも握っていたもの。…ルカヴィという怪物になった人間を殺めたこと、ルカヴィ自体が本当に存在したこと、『聖石』が恐ろしい能力を宿していること、グレバドス教会の重要人物を殺害してしまったこと、オヴェリア様がどこかへ移動させられてしまったこと、『王女様の護衛』という騎士団より与えられた任務が事実上失敗し、王都へ帰るにしても王女様を追いかけるにしても、どちらとも困難な状況になってしまったこと、“国の後継者争い”という内乱よりもはるかに巨大な陰謀や巨悪を目の当たりにしたこと…その他、たくさんの事柄が重なって…アグリアス自身…混乱してしまっていたのね。そこで…一目惚れしたラムザさんとの再会。…くっついちゃうよ、自然に。似た者同士、なのだから…」アリシアは述べ、自らの腰からベルトを外した。

「『似た者同士』…?ラムジャさんとアグリアスが…?」ラヴィアンが問う。