ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 ここは『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があるサイトです。

愛の鎧(03)

「………。イグーロス城での戦いで…ルカヴィに変身した上の兄が……『父上を毒殺した』と言ってました。…上の兄と……父上の間に何があったのか、父上と上の兄との関係が本当はどんなものだったのかは…僕にはまったく、分かりません。けど、だからといって…毒を飲ませて…自分の父親を殺さなくても…いい、と思うんです。…どうして、そんな非道なことができるのか。僕には……分かりません。『毒は用意してやった。さあ、やれ!』と誰かに命じられても…僕にはできません。そんなこと、できないのが普通なんだと、僕には思えてならないんです。だから……僕にも…上の兄と同じ血が流れている、と思うたび……もう、イヤで、イヤで…。どうしようもなくなって…」

ラムザは続けた。

「……上の兄は死にました。僕がこの手で…ルカヴィとなった上の兄を殺しました。きく塵(じん)の体へ剣を突き立てた感触を両手に、覚えています。…僕は上の兄と同じです。肉親を殺した、という意味では上の兄と僕は同罪なんです。……それであっても…僕はまだ生きています。僕が生きている限り、同じ血は生きています。残っているんです。それが、とてもイヤに感じて………。『ベオルブ家』はもう、おしまいです。それで、いいんです。こんな狂った血筋は絶えた方が良いに決まってます。……。…元気がなく見えたのは、そんなことばかりを僕が思い巡らせていたから…で……。!!…あ、アグリアス…さん…!??」

アグリアスは両目に涙をためて、泣き出すのをこらえていた。

「ラ…ラムじゃッ!!お、おおお主は…正常であるぅッ!!狂うておるのは、ラムじゃの兄上ただ一人であってぇ…主殿自身は…まっとう、であるぅッ!!れ、令兄(れいけい)とラムじゃは別人なのであってぇ、血のつながりなどは、気にせんでいいぃッ!…すまぬ、す、すまんかったぁ……。お主の気持ちに感付かんでッ!!わ、私は私は…。オルランドゥ様やアリシアはまだしもぉ…ラヴィアンに言われたのが、癪(しゃく)に障ってぇッ…。で、あるからして…その、その……」

ラムザアグリアスの手を引いて、彼女を抱きしめた。

いい匂いがした。

「……僕の家のことで泣いてくれるだなんて…。アグリアスさんは、やさしいんですね。僕の大切なひとは…素晴らしい方、です………」

アグリアス「ラムじゃ〜〜〜ッ。…わ、私、私…鈍感なのじゃッ。そんな私が…私は、すす、す、素晴らしいのかぁ?」

ラムザ「はい。……大好き…………です……」

アグリアス「ぁ………ラム…じゃ………」

ぎゅっと二人は抱きしめあった。

屋敷の外からは小鳥の声がしてくる。

すぐに泣き止んだアグリアスラムザが言った。

「……僕のために…無理をして…『裸エプロン』?ですか…。そんな姿はしなくても、いいです。僕は…あなたと一緒にいれるだけで……」

アグリアス「………あ、あのね、ラムじゃ。全然、無理はしていないぞよ。私…この…『裸エプロン』は気に入っておるの。…手足を拘束する形状ではなく、動きやすい。…ラムじゃ、お主はよくよく知っておろうが…私はフリルの付いている衣服が幼き頃より、好みであって…。これはその、フリル付きだし。さらにこの衣は仮に汚れてしまっても、洗うとすぐに乾燥する布で作られているのだ。…また、一本のひもでしか身体へ固定されておらず、着脱も容易なうえ、主殿を喜ばせることすら可能で…。これはこれは大変秀逸な能力を誇る一品だと、感心しておるしだいなのじゃ」

それを聞いたラムザは大声で笑った。