ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

剣と刀と(02)

オルランドゥは困惑しながら返した。

「……並の者ではないな。アグリアス君の師匠のお名前は?」

「フレシア・タルタロス、様です。私の生涯の恩師であります」アグリアスは顔を上げた。

「……フレシア…か。女性…だね。フレシア…フレシア…タルタロス…。聞いたことがない名だ。大抵の腕が立つ兵(つわもの)なら…その通り名は私の耳へと入ってくるものだが。…そうか、そういう…女の武人もいたのか。この国に…」首をひねりながら、オルランドゥは歩いた。

「はい。…私の所属していた騎士団の教官を務めておりました。今も…そうだと思います。…師は元国軍兵士でして…戦の時は剣士として…戦場で戦っていた、と……」アグリアスオルランドゥの後について歩いた。

「……そうなのか。私は国軍のことは…よく分からないんだ。終戦時に国軍は解体されてしまったしな。…うむ、うむ」オルランドゥは何度もうなずいた。

「…師が私達へお見せになられた素手で相手を殺傷できる技は…多分、異国のものだと思われます。オルランドゥ様は類似の技をご存知ですか?」アグリアスの声に彼女の前を歩くオルランドゥは「…ううん」と答えた後、思い出したみたいに付け加えた。

「サムライの国の秘技か…もしくはロマンダよりも、北にある島由来の技か…。バルバネスが生きていたら、聞いてみたかったな。やつなら何かしら…知っていたやもしれない」

オルランドゥのセリフにアグリアスは首を縦にふった。

「…はい」

鳥の鳴き声が響いた。

「お…。バルバネスといえば……アグリアス君」オルランドゥは立ち止まり、振り向いた。

「はッ」直立不動のアグリアスオルランドゥは笑顔になった。

ラムザ君のことだけど…。彼、疲れているのか…近頃元気がないんだ。それで…君がラムザ君を励ましてやってほしい。私やアリシア君、ラヴィアン君はしばらく…彼と会えなくなるから…」アグリアスは赤面した。

「ふッ、ふぇ!?わ…私が…えっと…ラムじゃを…。オ、オ…オルランドゥさま!??と、唐突に…。ラムじゃのこと…をを…」混乱する女騎士に男は大きく笑った。

「はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ…。そんなにびっくりしないでくれ。夫婦なのだから…君とラムザ君は。余計なことを言ってしまったかな?まぁ…彼のこと、頼んだよ。アグリアス君が彼を支えてやってくれたまえ。…男は弱いものさ。私も妻に先立たれてしまった際は…それはもう大変なことになってしまった。ほとんど、気がどうかしてしまっていた。…男は弱いんだ。女が考えているよりもずっと。だから…頼んだよ、アグリアス君。はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ…」

顔を真っ赤にしたアグリアスは「りょりょりょりょ、りょ、了解であり、ありまするうぅ…」と、何とか返事をした。

二人は歩いていった。

また、鳥が鳴いた。

風が吹いて、近くの林は静かにゆれた。