ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

秋風(03)

「……。…汚れてなんか、いません。何も…アグリアスさんは、汚れてない。人に汚れ、というものはありません。…一緒に寝てください。安心して…」ラムザはベッドから腰を上げて、アグリアスの手をとった。

「…ラムじゃ……。殿方は…『月の障り』のある女性(にょしょう)へ…触れてはならない、のでは…ないの…?」少女のようなあどけない顔になった女の瞳を男はしっかりと見た。

「…気にしないでください。何でもかんでも…『聖典』に書かれているままに生きることはありませんよ。僕は“異端者”っていわれてますし…そのことは、気になりません。…あなたを拒むことなど、僕にはできません……」

「ラッ、ラムじゃ……」感情的になったアグリアスは微笑むラムザに手を握られて、ベッドに入った。

女が大好きな男へ抱きついていると、男は話し出した。

「………僕も、妹がいます。……女の人の…それは、知っています。…考えられないでしょうけど、妹は僕や二人の兄との食事の席でも…あけっぴろげに言うんです。『兄さんたち、あたしィ、あの日始まっちゃて…イライラしてるから。協力してよねー』と…」

「!!?…ほ、ほんのこと!?アルマ…様がッ!?」アグリアスは驚愕(きょうがく)した。

深窓(しんそう)の佳人(かじん)として知られている、“『ベオルブ家』のアルマ嬢”とは、とても思えない発言である。

「………。ええ。これがウソであったなら、どれほど…僕も、二人の兄も…気が楽だったことか…。上の兄などは…アルマから命じられて……その…。…そのときに使う品を…妹の部屋まで、届けさせられたことも…あります……。あの時は下の兄も…『こういうことは…アルマ…兄上に、頼むでは…ない…』と、困り果てていました…。上の兄は…『………じ、自分で…計画を立てて…用意しておく、ように……』と、赤面していましたよ…」気まずそうなラムザの顔をじっと見つめていたアグリアスは突然、「ぷ、ふ、ふふふふ…」と笑い出した。

小さく笑い声をあげる女を男は不思議に感じた。

だが…愛する女性の笑顔にラムザは喜びを感じてきて、アグリアスと共に笑い始めた。

「…ふふふふ。それは、うそ、であろう〜ラムじゃ〜」

「本当です〜。妹は…家族以外へうわべをおとなしそうに見せかけているんです…」

「あの…アルマ様が…そんな言動を〜。ふふふふふふ…」

「あはははははは…本人に会ったら…あなただって…僕の言っている意味が分かりますよ…あはははは…」

「ふふふふふ…そう、だろうか〜」

「…ええ。…あははははは」

ラムザアグリアスはベッドの中で笑いあった。