ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

深き闇を掘って(02)

「……おれとコイツは…付き合って長いんですが……今回の仕事が無事に終わったら……そろそろ結婚しようって…約束してて…。アリシアさん、すんません。コイツ…アリシアさんに怒っちゃって…。アグリアスさんに直接いうのは、おれもコイツも…おっかなくて…。面と向かって、抗議もできないんです…。すぐに剣むけてくるし…。条件だった、星座の相性もちょうどよかったんで…この仕事を引き受けましたが……。おれとコイツは…どうしてか、『勇気』が無くなっちまいました。いろんなところに行って、探検するのはガキの頃から、おれもコイツも大好きだったけど…もう、どこにも行きたくないんです……正直いってこれ以上…傭兵(ようへい)なんて、続けていけないです。二人で…田舎(いなか)に戻って…畑仕事でもしながら…静かに暮らしていきたく…なりました…」

男の話にうなずいていたアリシアはもう一つ布製の袋を取り出した。

ドチャッ、と重そうな音がした。

「…アグリアスのことはわたし達で厳正に対処いたします。罰責(ばっせき)するつもりです。…これは、追加のギルです。8万ギル入っています。慰謝料として、そして…これから、ご夫婦となるお二人の門出(かどで)を祝わせてください。ロックさん、レイチェルさん…短期間でしたが…助かりました。わたしも、ラムザさんも、お二人には感謝しております。…真にありがとうございました。あと、すみませんでした。ご気分を害したのは…こちら側に問題があります。お二人のご意見はしっかりと組織の改善のために役立てます。いろいろと…本当にお世話になりました…」アリシアは深々と頭を下げた。

女は涙をぬぐい、男は目を伏せて黙っていた。

男女が立ち去った後、アリシアラムザアグリアスがいる宿屋まで戻った。

二人へアリシアはこう言った。

「…ロックさんとレイチェルさんは田舎に帰るって。ラムザさんは後日、『戦士斡旋所』まで行って、二人の登録を抹消してきてください。アグリアスは『話術』をアビリティから外していいよ。戦場をなめきっている新参者をどやしつける必要は、もう無くなったから。手に入れたアイテムは有用な品ばかりなので…みんなでそれぞれに好みのものを選ぼう」

妙にすっきりした顔をしているアリシアラムザアグリアスは笑顔を返した。

アリシアの奸計(かんけい)により、ラムザ達は希少なアイテムを入手できたのである。