ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 ここは『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があるサイトです。

愛し愛されて(01)

がりがりがりがり…と音がする。

「刺激的な味ですが…とても、おいしいです…。これが…『ボムクッキー』なんだ…。僕、名菓といえば『ちょこぼう』しか食べたこと、なくて……」

ラムザ開封した菓子の袋を見つめている。

「…『ちょこぼう』の名は聞いたことがあるぞよ〜。しかし、食べたことはないのぅ。どんな菓子なのじゃ?」

アグリアスは興味津々らしい。

ラムザ「やわらかくて…大きさはこのくらいで…やわらかい生地の中に白いクリームが入っています。足がないチョコボの形をしていて…表面は茶色くて、くぼんだ目が熱した鉄の棒で焼き付けられているんです」

アグリアス「ほほ〜う。…美味であるの?」

「はい。甘くて、おいしいですよ。『ちょこぼう』はセシリアさん…いえ、僕の兄の妻の好物で…あ、兄というのは上の兄です。…下の兄も好きでした。…アルマも大好きでよく、もぐもぐ食べていました」

ラムザは思い出しながら、話した。

「……。…令兄(れいけい)に…奥方(おくがた)が、おったの!?」アグリアスは驚きを隠せない。

「………。はい。楽器を演奏するのが得意な人で…。けれど…強盗によって……殺されてしまって……。あの時から……上の兄は…別人になりました…。…事件で小さかった一人息子を一緒に殺められてしまったのも、あるのでしょう。…それから、僕もアルマも…上の兄の妻や、上の兄の子供のことは『その名前を口にしない、そもそも存在していなかったんだ』と、思うようにしてきました。…下の兄の提案です。僕の家は……そんなところなのです。………今になって、考えてみれば……『聖石』によりルカヴィとなった上の兄も…神殿騎士に操られよみがえった下の兄も……かわいそうな人、でした……」

さみしそうな瞳をしたラムザは言い終えた。

アグリアス「…す、すまぬ、ラムじゃ……私が…余計なことを問うたばかりに……」

「…いえ。どこまでいっても、二人とも継兄(まませ)なので。…僕にはあなたがいてくれますし、それに妹も生きていますしね。人質となっている限り、アルマの身の安全は保障されています。……この、『ボムクッキー』はよく食べるんですか?」

ラムザはほほえんで、話を変えた。

アグリアス「あ、いいや…。これまでに一度しか食べたことがないのじゃ。騎士団にいた時…師からいただいたのが、最初なの……」

ラムザ「『し』…??」

アグリアス「私へ『聖剣技』を授けてくださった恩師じゃ。私やラヴィアンたちへと、剣技と剣術を教授されておられた御方(おかた)であるぞよ」

「へぇ…。どんな人なんです?初めて、聞いたかな…」

ラムザは興味津々らしい。

「え…そうにゃの?……私が言って、なかったのかしら?……」

アグリアスは考えつつ、返した。