ふるいものがたり

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風と炎と水と(05)

目を腫らし、顔を赤くしている二人の女へアリシアは述べた。

「……なら、アグリアスがここに書いてある金額を分割して…わたしに返済していく、ということ?」

「うむ。…私が間に入れば、このばかの行動も収まってゆくじゃろう。だから、アリシアはこいつが頼んできたにしても…ギルを手渡さないでほしいのじゃ…」

アグリアスは話しながら、大きな財布を取り出した。

「……思っていたよりも…多額であったゆえに、8万…と、9840ギルから…本日のところは返すこととする。………うむ、ぴったりある…ぞよ」

ギル金貨をシャラシャラと数えるアグリアスは、さらに続けた。

「…私はラムじゃとフーフ、であるからして…こんな芸当が可能なのじゃ。来月の末からは……3万ギルを10ヶ月かけて、返済していきたい。それで…良いかのう?」

アリシアは返答した。

「それは別にかまわないけれど…。アグリアスラムザさんは困らないの?わたし自身は、ラヴィアンから取り立てるつもりは無いのに」

「元部下の汚点とはいえ、私の気がすまんのだ。そして、案ずるな。…我が主殿(あるじどの)さえおったなら、私は金銭などに執着したりはせぬ」

アグリアスがにっこりすると、ラヴィアンが声をあげた。

「ちょ…ちょっと、ちょっと〜〜。あたしに了承を得ないまま、二人でどんどん決めてない?あッ、ま…待てよ…。あの…二人とも……もしかして、ラムジャさんにあたしのギルのこと、話した!?…話してないよね!?…ね!?ね!?」

怯えるラヴィアンにアリシアアグリアスは頭を左右にふった。

「…話してないよ」「いいや、明かしてはおらんが…」と。

「ぜ、絶対だよねッ!?ホントにラムジャさんに教えてないよねッ!?」

確認をとるラヴィアンに二人はうなずいた。

すると、ラヴィアンは安堵の胸をなでおろし、「よかった〜〜〜。あたし…ラムジャさんにこのことを知られるのだけは、耐えられないもん。…あたしらの間はいいんだよ。けどさ…ラムジャさんにだけは知ってほしくないの。…こんなこと、知られちゃったら…嫌われちゃうもの…ラムジャさんに……」と真情を吐露した。

アリシアアグリアスは笑顔になった。

「……その通りじゃぞ。私が愛する主殿を憂えさせてはならんぞよ」

にこやかなアグリアスへ幼子と変わらない目をしたラヴィアンが聞いてきた。

「今さ…アグリアス……89840ギル…持ってたよね。…他にも、その財布の中に入っているの?…ギルは?」

「え…まあ……入ってはいるが…」アグリアスは財布を開いてみた。

金貨がぶつかる音がする。

「…んーじゃあさ、その財布の中のギルをあたしに貸してよ。あたし…今月、もう残りが170ギルだけなんだ……。だから〜〜、お願い〜アグリアス!!」

ラヴィアンは笑って言った。

「い、いかんて。ラヴィアンよ…いけないわよ。あ、あなた…な何を言い出すのッ!?私が先程言ったことを覚えている、でしょう!?」

アグリアスは目を白黒させて、財布を閉じた。

「え〜〜〜〜。あたし…じゃあ、どうなればいいの!?ねぇ、アリシア〜〜」

ラヴィアンの明るい顔を見たアリシアは苦笑を浮かべた。