ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 ここは『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があるサイトです。

風と炎と水と(04)

「や〜〜〜。え〜〜と……。んー、どう、説明するといいのかな……。そのさ……あたしらはいつであっても、戦ってるでしょ。モンスターを倒したり…盗賊をやっつけたり…して…。それで…誰かを殺したり…あたしらが逆にやられそうになったりする…。いつも、いつも、そんななかで生きてて…あたし……何かで、気晴らしをしたくて。それで……町のショップで…買い物してる時はね、その時だけは……『あ〜殺さなくていいんだな、殺されなくていいんだな…あたしも…“一人の女の子”なんだな…』って…思えるの。……あたし、何もないからさ。アグリアスにはラムジャさんがいて…アリシアは精神的に自立できてるけど、あたしには……ないの。あたしの心を支えてくれるのは、買い物ぐらいしか……。残ってないの…。うん…。心のどこかでは分かってるよ。無駄遣い、と責められたらそれまでだよ。……やっていることが……“正しい事”ではないっていうのは……分かってる。でも、でもさ……さみしくて、さみしくて。あたし自身、自分でも…どうするといいのかが…わからない、ままで…ずるずる続けてて………。…ゥウ…ウゥ…ッ…ッ………」

涙をぽろぽろとこぼすラヴィアンにアグリアスは、「……ば…ばかぁッ!お前、どうしようもない…ばかなのじゃのうッ!…『何もない』などと、言うなぁッ。お前はあんなに、あんなに、おいしゅうパンを焼けるじゃろうにッ!!鍋料理とて、ものすごく美味なものをいともたやすく、こしらえれるじゃろう!!口惜しいが、そんな芸当、私にはできんのじゃぞ!!私やアリシアにいくらでも、パンでもなんでも作って、食わせよ!『おいしいけど、もう十分じゃ。負けたわ』となるまで、お前にしか作れない一品を私らへ食わせてみよ!!…ばか!ひ、一人で抱え込むでないッ!!…己の器量がどれくらいか知らぬのかぁ、お前ぇッ。わ、私たちになぜ相談せんのかぁッ!!…仲間であろう、私たちはぁッ!わ、忘れたのかぁッ!!愚か者ぉぉ…」と叫んでいきなり、彼女を抱きしめた。

そして、アグリアスも泣き始めた。

「…あ?…ア、アグリ…アスぅ……ごめんん、ごめん…ゥウッ…ウッ、ああ、あたしぃが、悪いのっ、悪いのっ…うううう〜〜ッうッ…うう〜〜…」ラヴィアンはしっかりとアグリアスへ抱きついてから号泣した。

「…ぃ、ぃぃの、ぃいのじゃよ…わかった、わかった…気付いて、やれんかった…私も、すまんかったぁわ…ごめんねッ」アグリアスは答え、しばらく二人は泣いた。

そんな両名を見つめていたアリシアは、やるせない思いを放出するかのように息を吐いた。

……ラヴィアンが打ち明けた内心をアグリアスアリシアも十分に理解できたのである。