ふるいものがたり

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香る心(06)

アグリアスは涙をぬぐい、言い返した。

「この…大ばか者がッ!!な、仲間に…友人に…借財して…それでも…お前は、騎士の一員かぁッ!!こんな…こんな…ものに…98000ギル?だと…!?お前の金銭感覚はどうかしとるッ!!うつけ者!!!」

怒号を発しながらも涙を流す女へもう一人の女はふくれっ面で反論した。

「…な、なによッ!!別にかまわないでしょーーッ。アグリアスにはーッ!!あたしが欲しいものをどうやって、買おうとさ!!ば…ばかなのは、そっちじゃないの!?ア、アグリアスに…あ、あたしの何が、分かるっていうのさッ!!ばか〜!!」

顔を赤くして言うラヴィアンへアグリアスは湿った声で返した。

「黙れ!……この香水の装備効果は、何?香水といえば、私が持つこのバッグと同様に装備した際は『プロテス』や『シェル』といった魔法が自身へ付加される、という恩恵を受けれるでしょう。この…香水には、いったいどんな装備効果が?」

「………そーいうのは…無い、よね?」ラヴィアンはアリシアに確認をとった。

「うん」すぐにアリシアはうなずいた。

「な、何ッ!?『無い』じゃとぉッ???」アグリアスはぎろりとラヴィアンをにらみつけた。

「け、けれど…その香水には“男をひき寄せる成分がたっぷり含まれている”とか…箱に印刷されていて……」ラヴィアンはアグリアスの形相(ぎょうそう)に怖気付(おじけづ)いた。

「……。……あぁ、お前……ほんに、真の意味で…狂っておるのか。多額のギルを…“男をひき寄せる”ためだけに…使用するとは…。しかも…お前の言う、その成分とやらの…確約や保証はどこにもなかろうに。仮にも戦士であるならば…それを装備して攻撃したなら、相手を一撃で葬れるような品を求めよ。……それが、こんな…こんな…“愚者の極み”を…大切な友人から…借財してまで……。恥ずかしい…。恥ずかしいわ。お前は……“恥のカタマリ”だ……。お前には…失望した……」

静かな声でそこまで言ってからアグリアスはテーブルにつっぷして、しくしくと泣いた。