ふるいものがたり

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瀬戸際(01)

回転するクリスタルは黄色く輝いている。

女が倒れた男の前に到着した際、男の周囲の地面は焼け焦げており、草には火がついて燃えていた。

大やけどを負っている男の近くにはモンスター・ボムの一部分が転がっている。

「ボーンッ!!!」という爆発音と共に「あああぁァァァーッ!!!」という叫び声が森林に響いた。

迫ってくるモンスターの群れを三人の仲間へ任せた女は、背の高い草花をかきわけ、何度も植物の根に足をとられて転倒しそうになりながらも、灰色の煙が流れてくる場所を目指した。

地面や木や草に黒くてつやつやした液体が飛び散っている。

…オイル、だ。

ボムの『自爆』に巻き込まれて死亡したゴブリン系モンスターがうつ伏せに倒れている。

モンスターの横に倒れている仲間の姿を見つけた女は、腰にある雑のうからアイテム『フェニックスの尾』を取り出した。

女が急いでやってきた方向から、人間の声やモンスターの鳴き声、魔法や剣技のさく裂する音が聞こえてくる。

「…アグリアスさん、そいつに攻撃してください!!」「わかったッ!!」「この…怪物どもがぁ!!」ザシュッ!!キン…ドドドドドド…「ウォオオオーンッ!!」ザッガツッ!!「ぐぁ、いったぁッ!!」「ラ、ラヴィアンさん!こ、こいつ…」「くらえ、わが剣の一撃を!!!」ブッシャーーッ!!「ウォオオオーン…」「ラヴィアンさん、ポーションを…」「う、うん。あんがと…あ、コッチに来るよ!!」「ま、魔法で一掃します!!無念の響き、嘆きの風を凍らせて忘却の真実を語れ…ブリザガ!」ヒューバグッシュ、ヒューバグッシュ、ヒューバグッシュ、ヒューバグッシュ…「ウォオオオーン」「ウォオオオーン…」「……あの、アンデッド…まだ息があるのか!?」キーン、ビリビリビリビリビリビリ…「ぅ、ぅわぁがぁぁぁぁ…あぁ…」「ラ、ラムじゃ!!!」「ラ、ララ、ラムジャさん!!!」タッタッタッタッタッタッ…シュピーンッ!!「ぎゃあッ、痛ぁッ!!『手刀』…か、この…ガイコツふぜいがぁ!!」ザクリ!!「キサマーッ!!わが主(あるじ)をよくもぉぉッ!!」ボキ、ボチリ、ゴキリッ「ウ、ウォオオオーンッ」「ラムジャさん、平気!?」「う、ううう、うん…ビリビリしてるけど…そ、それだけで…す…」「ああ、ラムじゃ〜」「の、残るは…あの…二匹だけ…です…ね…」

……どうやら向こう側は、何とかなりそうである。

女は左腕の腕輪を操作して、半透明の板を表示させた。

女の足元には倒れている仲間の身体がある。

この身体からは今現在、霊魂が抜け出てしまっているのだ。

白魔法『レイズ』及び『アレイズ』、もしくは消費アイテム『フェニックスの尾』を死体となりつつある肉体へ使用してやれば、仲間の男は助かる。

それは、分かっている。

が、しかし…女は『フェニックスの尾』を握りしめたまま、男の肉体の状態を確認していた。