ふるいものがたり

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本音でアグリアス(23)

アグリアス「…あ、ありがと…うッ…ほんに、ありがとッ…」

「ウッ…ウゥ…ついていくッ、からッ…安心ンして…よッ…アグリアスゥ…」ラヴィアンの言葉を聞いていて、アリシアは話し出した。

「………アグリアスラムザさんが『良い』と感じたことを思う存分に行なってくれればいいと、わたしらは考えているの。…だから、思い詰めないで。“矛盾”を抱えていたって、いいじゃない。“矛盾”というのは言い換えると、“人間らしさ”なのだから。…ラムザさんに甘える女の子のアグリアスと、剣をぶんぶん振り回して戦場を駆ける勇ましい騎士のアグリアスと、両方いてもいいのよ。どちらか一方を選ぶ必要なんて無いわ」相手を見てから、アリシアは続けた。

「……これはかなり前になるけど、ゴルゴラルダ処刑場でラムザさんへアグリアスが放った一言と編成画面上での個別ヘルプメッセージの一言との間にみられる矛盾点こそが『アグリアスオークス』の魅力の土台であると、わたしは感じているの。“矛盾”というのは想像を生み出す。そう、神話がいい例ね。…そもそも“矛盾”とは何かを生み出すことのできる“母体”ともなりうるのだから。……アグリアスも一人の人間であって、神様ではないのだから……そんなに自己の存在の統合性に気を遣うことなんてないのよ」

「ぅ…うんッ…」アグリアスはうなずいた。

「…対峙している相手が泣き止むまで話し続けるのはかなり大変。……わたしでは、フレシア先生みたいにはできないみたい。……。先生に会いたいな……」ここまで述べたアリシアは小さく笑った。

ラヴィアン「ごめんッ…あたしッ…すぐ、泣いちゃッてッ……」

アリシア「いいよ、いいよ。セリフを考えなくていいのは、作者さんもラクなんだもの」

アグリアスは泣き止み、涙をふいている。

「ウッ…あいだッ…もたせて、くれてぇッ…あんがとッ…アリシアッ……」ラヴィアンはまだ泣いている。

アリシア「どういたしまして」

「……すっきり、したわ」湿った声でアグリアスが言った。

「言いたいこと、言えた?」アリシアの顔が映ってる酒のビンは中身が空になっている。

「ああ……。溜まっていたものが、出ていったよう」アグリアスの顔も中身が空のビンに映っている。

アリシア「『何かを取り入れて、何かを出してゆくというのが、全ての創造物の本来あるべき姿であり、それを無視して取り入れるだけとなった場合…機能不全を引き起こし、強制的に奪い取られる、という法則が自然と働く』のだって。これは…グレバドス教の『聖典』の一つ、『イヅミ書』に記されているよ」

「………。アリシアは、教師に向いているのう」アグリアスは感心している。

「…ッ…よしッ…おわりッ…もう、泣かないッ…」ラヴィアンはようやく泣き終わったらしい。

アリシア「いつも…わたしの分まで泣いてくれて、疲れるでしょう」

ラヴィアン「いや〜。泣くとさ…気が晴れるっていうの?疲れるってことはないんだ」

アグリアス「…いわゆる、ガス抜きであろう」

ラヴィアン「そう、そう」

アリシア「…いいな」