ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

本音でアグリアス(22)

ラヴィアン「…別に軽蔑なんて、しないよ。…ねえ?」

アリシア「…うん。素直になれて…むしろ、これで良かったようにわたしには感じるのだけれど」

アグリアス「…………。…そ、そう言ってくれるの…?」

ラヴィアン「鬼のアグリアス隊長もすっかり、“恋する女の子”になっちゃって…。ちょっと腹が立つけど、これはこれで喜ばしいよ」

アリシア「…わたし、アグリアスがわたしら以上に女の子らしい部分があるの…知っていたの。…懸命にそれを表面に出さないように努めていたのも、気づいていたしね」

「…………」アグリアスは目をパチパチしている。

「戦いで命を落とすことなんて、アグリアスはないよ。『天使の指輪』も身に付けているんだし…大丈夫、大丈夫、ぜんぜん平気だよ〜」ラヴィアンはにっこり笑った。

「…『ディープダンジョン』に潜ったり、瀕死の神殿騎士から『デジョン』で“地獄”と呼ばれる場所へ招待されることはあっても…シナリオ上、『本物の地獄』へ行くことはできないし、仮にアグリアスが宝箱かクリスタルになったにしても、そのままセーブする人よりは、ソフトリセットする人の方が多いと思う」穏やかな顔をしたアリシアが言った。

「…………」アグリアスは言葉を返せなかった。

「この証は、アグリアスが二つとも持っていて…」ラヴィアンはアリシアの手から“聖騎士の証”を受け取り、アグリアスへ返した。

「…………」黙ったままのアグリアスは目に涙を浮かべている。

ラヴィアン「あたしら、『聖剣技』は使えないけど…他のことで役立てれば、それでいいんだ」

アリシア「『密猟』とか、算術とか、踊りとか…。…改造コードを使えば、『聖剣技』どころか…『ジャ魔法』や『仕手』とか、何でも使えるようになるのだけれども…」

「…ぁ…ぁりが、とぅ……ッ…」アグリアスは泣き崩れた。

「あーーー。な…泣かないでよぉ、隊長…あ、あたしも…ッ……。つられて……ッ…ウッ……ゥウ……」ラヴィアンも、もらい涙を流した。

「また…?二人して……」アリシアは冷静なままであった。

ラヴィアン「ゥ…ッ…あ…ウゥ…ア、アリシア…もッ…たまには…泣き、なッさぁいよォッ…ッ…」

「……わたし、お兄ちゃんが死んでしまってから…泣けなくなったの。涙腺が閉じているというわけではないのにね。…あくびしたら、涙は出てくるし」アリシアは溶けない氷塊のような目をしている。

ラヴィアン「ウゥ…ッ…あぁ…ッ…かわいそ…に…」

アグリアス「…ゃ…ゃさしぃ…の、じゃねッ…あなたたちッ…」

アリシアアグリアスだって、優しいところがあるよ。…自分で自分を理解していないだけ。……誰であっても、‘自分で与えたものしか、人は受け取ることができない’のだからね」