ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

本音でアグリアス(09)

アグリアス「………。…な…何も、言えぬな……」

「……」言い終えたアリシアは冷たい目でアグリアスを見つめている。

「……」泣き止んだラヴィアンは涙をぬぐった。

アグリアス「………。……確かに、確かに、寸分の狂いもなく…私は『ずるい』な……。いいや、私はけち臭くて…己が恵まれているなどとは、到底考えることができぬ、愚者なのであろう……」

「「…………」」黙る二人へアグリアスは両手で顔を覆って言った。

アグリアス「…あなたたちの指摘は正しいわ。……ラヴィアンに危ないところを助けられたこともあった。……アリシアに傷の手当てをしてもらったこともあった。………私は、自分一人で何もかもをやり遂げてきたように思い込んでいるのじゃが……それは、私の思い上がりにすぎぬよな。………。ごめんね、二人とも。私…大したこと無いのに…威張り腐っていて……」

「!……隊長…!?」顔を覆ったままのアグリアスへラヴィアンは声をかけた。

「…あたし、すごい悪いことしているように……感じるんですけど……」

アグリアスは小さな声で言った。

「もう、やめてよ。二人とも、どうしたの……どうして、『隊長』だなんて呼ぶのよ……。私たち、仲間でしょう……ごめん…ほんに許して……二人とも……」

「あら、これは都合がいいわね。…これからは私を『隊長』と呼べ、とわたしらへ指示したのはあなた自身ではなかったかしら?ふふふ…忘れたの?」アリシアは冷笑を浮かべている。

「…けどッ!!そうじゃったけどもッ!!」顔から手を離したアグリアスはダン!と、テーブルを叩いた。

ラヴィアン「……そんなッ、可愛い顔しないでよッ。…もお〜〜〜!」

アリシア「……。ふふふふ…」

ラヴィアン「あはははは…」

「なに、笑っているんじゃ……」真面目な顔をつくり、泣きそうなのをこらえているアグリアスが言う。

ラヴィアン「あははは…ごめん〜。…ムリしなくてもいいんだからさ、たまにはハメを外して…“隊長”じゃなくなってもいいじゃない…ねぇ?」

アリシア「…そうだよ。『ホーリーナイト』でも、わたしらよりも年上でも、いつもキリッとしていることはないでしょう、アグリアス

アグリアス「……!?あ…あ…!!……。あ、あなたたち…もしや……!!!」

「あははははは…さあ、隊長さんの化けの皮がはがれちゃったところで……」ラヴィアンは自分の使っていた器へ酒を注いだ。

「いつもの無礼講(ぶれいこう)で、飲みなおそうよ」アリシアも置いたままになっていた器を手にとった。

「………。し、仕組んでいたの…!??」アグリアスは唖然(あぜん)としている。