ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

ちからのちがい

女騎士は制服姿の初老男性と口ヒゲの男の前にいた。

二人の男は立ったままで女騎士の話を聞いている。

すると、そこへ片目の女がやってきた。

片目の女「『ローラが一人で戻った』と、聞いて…。『ケガをしている』って…。どうですか?ギレさん、カールさん……」

同じ制服を着用している二人の男は片目の女にそれぞれ言った。

初老男性「せ、先生…。ケガの程度は重く…左腕(さわん)は使いものにならないようです…。負傷は強力な弓矢によるものです」

口ヒゲの男「アグネスのやつが本日は休みなので…他に回復魔法を使える者はいなくて…」

先生、と呼ばれた女は女騎士へ近寄った。

「……うん。『重傷を負っている』って、フリードリヒ君は泣きそうになっていたけれど…腕自体は残っているんだね。…ローラ、外傷は片方の腕だけ?」

ローラ、と呼ばれた女騎士「先生…。はい…。顔も殴られましたが…左腕(ひだりうで)が……」

泣きそうな顔で返した女騎士の頭をなでた先生はほほえんだ。

「よし。じゃ…これでいい、と思う……」そう言った後、先生は続けて魔法詩を詠唱した。

先生「波動に揺れる大気、その風の腕で傷つける命を癒せ!ケアルジャ!」

輝く清らかで優しい風の波に全身を覆われた女騎士は、あっという間に全快した。

きれいな風が吹き終えるや、三人は声を出した。

口ヒゲの男「ベベベベ…ベ、いえ、フレ、シア…先生……!?しし、し、白魔法を使えたのですか!?」

初老男性「わわわ、私は…黒魔法だけ、とばかり…」

ローラ「ぇ!?え…え、えぇ〜!?う、ぅそ〜ッ!??」

驚愕(きょうがく)している三人に対し、先生はにっこりした。

先生「海外で覚えたんだ。…ローラ、どう?腕…治った?」

ローラは左腕に巻かれている血液で固まった布切れを取り除いてみた。

……腕に傷口は残っていない。

血で汚れている以外は完全に元通りの左腕がそこにある。

又、全身の熱っぽさや悪寒も無くなっている。

ローラは剣技や剣術だけに優れているわけではない先生の能力へぼう然としつつ、返した。

「あ…はい。無事の…ようです…」と。

ローラの返答を聞いてから、先生は初老男性と口ヒゲの男へ述べた。

先生「……フリードリヒ君の話だけでは判然としない点があります。ローラ、団長様と教官長に詳しい報告をお願いね。ローラの報告を元にして…必要なら、ショーンベルグさんへギレさんは連絡をとってください。…わたしは生徒たちのところまで戻ります。フリードリヒ君に会ったら、ローラのことはわたしから彼へ伝えておきましょう」

先生のはきはきした声に初老男性と口ヒゲの男は直立し、ほぼ同時に声を張り上げて敬礼した。

「「はッ!!」」

二人の男の声にローラはびくりとした。

敬礼を返した片目の女は「あっ」と気付き、「…今は…もう違うんだった…。階級もないのに。ごめん、二人とも…」と笑い、部屋を出ていった。