ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

隊長誕生(07)

女騎士は続けた。

「…アグリアスが自分を『隊長』と呼んでほしい、と発言したこと自体は誤りではないよね。この言葉には何一つ、問題点は認められない。隊の中でのアグリアスの立場はラヴィアンもローラも心の奥底で理解しているはず。ただ…今まで、というよりは城にいた時点では『友達』として接してきたわけだから、二人がアグリアスの言葉へ反発するのは当然といえる。…二人とも、アグリアスのことを“大切な仲間”と思っているのだから、素直に『はい、そういたします』とはならないよ。…二人の性格も考慮した上で、アグリアスはローラやラヴィアンに対して説明を行わなければ、相手の了承を得るのは難しい。今…そこで争っていたけれど…アグリアスも、ローラもラヴィアンも、元々相手を憎んでいたわけではないでしょう?例えば…『愛するものの仇(かたき)』として、いつかあいつに復讐してやろう…と考えていたのではない。…三人とも、カッとなって…やりあったに過ぎない。……ちょうどよい機会ではないの?アグリアスを『隊長』とわたしたち三名が呼び、敬意を示すと共に王女様へも礼儀を尽くす。それにより…人間としてほんの僅かでも、わたしたちは成長できる。長い話の中で教官長も言っていたよ。『各々、協力をして精進に励むように』と。…オーボンヌ修道院へ着く前に分裂するどころか、護衛隊の解散へ至りそうになっているじゃない。…ラヴィアンもローラも、帰りたいのならば城まで戻りなさい。アグリアスとわたしで修道院まで行くことにするから。二人は戻ったら、『交代の人員を派遣するように』と、教官の誰かに伝えてね。…これくらいは頼まれてくれてもいいでしょう?そして…アグリアスも、上から押し付けるだけでは反感を買って、敵を作り出すことになってしまう、というのを悟ったはず。アグリアス…以後、気をつけなさい。場合によっては…ここの小屋の前で仲間同士の殺し合いへと発展してしまい、任務の中止と騎士団からの追放。さらには獄屋(ごくや)につながれるか、処刑されるか…何らかの罰を受けたかもしれない。……愚かな行為はやめなさい。三人とも…」女騎士はここで言葉を切り、小さく微笑んでから述べた。

「友達なのだから……」と。