ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

出発直前(02)

「そうそう。…おっと、これこれ。これを…渡しに来たんだった」片目の女はアグリアスへ小さな記章を手渡した。

「?……“聖騎士の証”…ですか?…し、師よ…私は持っております。この…ように…」アグリアスは自らが着ている士官服の左襟を指し示した。

片目の女「うんうん。それはそうなんだけどね。…わたしが持ってきたのは予備なの。もらっといて〜」

にこやかな片目の女に対し、アグリアスは困ってしまった。

にこにこした片目の女が続けた。

「…それさ、わたしが国軍時代に授与されたものなんだけれど…わたしにはもう、要らないものだから…アグリアスにあげるよぅ」

「そ、そのような…。大切な品を……」アグリアスが目を丸くするや、片目の女が言った。

「いーんだって。アグリアスが授与された方をどこかへ落っことしちゃった場合には、わたしのやつを使うといいよ。……いつか…要らなくなったらさ…捨てちゃいなよ〜」

アグリアス「ふえっ?す、すてる…ですと!??」

満面の笑顔の片目の女にアグリアスは驚くばかりである。

その時、コンコンコンとドアをたたく音がした。

手のひらの上の記章を見つめたまま固まるアグリアスに代わり、片目の女がドアを開けた。

「あ!!せんせ〜。どーして、アグリアスの所に?」部屋の外には三人の女騎士がいた。

一人が発言したので、片目の女は笑顔のまま返した。

「うん。フリードリヒ君がみんなの見送りをする予定だったんだけど…彼、やることができたから…わたしが代理で来たんだ」

先に発言したのとは別の女騎士がほっとした声で言った。

「そうなんですか。…良かったわ、先生で」と。

一人の女騎士が本音をもらすや、初めに発言した女騎士も続けた。

「だよね〜。せんせ〜、アグリアスは?」

先生「ん、ああ…もう、用意はできてるみたいだよ。わたし、南の城門のところで待っているから。…四人揃って、そこまでおいでよぅ」

「「「はいッ」」」と、三人の女騎士はそれぞれに返事をした。

女騎士たちはアグリアスの部屋へと入ってゆき、片目の女は入れ替わるように外へ出ていった。

……ある晴れた日のことだった。