ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

出発直前(01)

真新しい士官服を着用した若い女は続いて、肩とひざと胸へ装甲板を装着した。

次に腰のベルトへ剣を下げた若い女は白いマントも頭からかぶった。

……おお。

ぴったり…。

マントは多少…大きめであるが……。

この服は…よい。

鏡の前で自らの姿を確認していた若い女の耳へコンコン、という音が聞こえた。

若い女は「はい」と声を上げてから、部屋のドアの前へ行った。

若い女がドアを開けると、そこには片目の女が立っていた。

「…お、おはよう御座います!」相手を見た若い女は深々と頭を下げた。

片目の女「おはよ〜。忙しい時にごめん〜。一つ、忘れてたことがあってさ…」

若い女「は…はい。お入りくださいませ、師よ」

「うん。ありがとう」片目の女は部屋へ入れてもらった。

若い女がドアを閉めると片目の女が聞いてきた。

「新しい制服、着てみた?…どう?」と。

「はい。今、袖を通しました。…これを」

若い女は白いマントをめくった。

片目の女「あ…いいじゃない。…うん、うん。いい、いい…。……色も、わたしが着ていた試作品とは変わったね。わたしのは黒だったから。…動きやすい?生地が変わったでしょ?」

若い女「はい。鋼の装甲板を取り付けましたが、とても機能性に秀でた衣(ころも)と、感じます」

「そっか〜。よかった〜。似合うよ〜、アグリアス」笑顔をつくる片目の女に若い女は顔を赤くした。

アグリアス、と呼ばれた若い女「あ、あ、ありがたき、幸せに存じます…師よ…」

白いマントを触った片目の女が言った。

「マント…大きく、作られているでしょう?」

アグリアスはもじもじしている。

「は…はぃ……」

片目の女「隣国との戦の時にはね…マントでくるくるって…敵兵の攻撃をからめ取って、戦う兵士もいたんだよ。わたしも見たこと、あるもの。だから、古参兵のマントはぼろぼろになっていることが多かったんだ。…そういう戦い方は、みんなに教えていなかったからさ…。日光から鎧を守る以外にも、マントには便利な使い方があるの」

「……そう、だったのですか…」

白いマントをつかみつつ、アグリアスは片目の女の話に聞き入った。