ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

恩師(05)

ローラが質問した。

「それは…外国の衣服、ですか?」

先生「うん。…これはね、呂国で倭服(わふく)と呼ばれる着物なの。元は東国の品で、呂国まで海を渡ってきたんだ。…亡くなったわたしの夫の実家は戦争の間も海外に行って商いをしていて、その時の貿易の品なんだけど…倉庫から運んできてから、そのまましまい込んでいたので…今回、着てみたんだ」

ラヴィアン「あたしらが先生の部屋で着せてもらったのと、同じもの?」

「少しつくりが違うね。…袖(そで)のここの長さが異なるし、この帯も結び方が別なんだよぅ」先生は着物の袖をひらひらした後、くるっと後ろを振り向いて美しい帯を四人へ見せた。

ラヴィアン「…へぇ〜」

アリシア「きれい…ですよ」

ローラ「ホント…きれい…」

「…………」アグリアスはぽ〜っとしたままで、言葉が出て来なかった。

「ありがとう、みんな。…では、これを渡しまーす。あ、わたし、“先生っぽく”話すからね。…一度やってみたかったんだ〜」先生は木製の箱を手に取った。

ローラ「どういう意味ですか?」

ラヴィアン「せんせ〜は、先生だよ」

「今に分かるからぁ…。えっと…じゃあ…まず、『風』から。…アグリアス、わたしの前へ来て」先生は箱の内部を見てから、アグリアスを呼んだ。

「!…あ、ハ、ハイ!」驚きながら立ち上がったアグリアスは先生の前へ行った。

「…アグリアスには、これを」箱の中から『風』の結晶を取り出した先生は両手でそれをアグリアスへ渡した。

「ハッ……」両手で受け取ったアグリアスは結晶を見つめた。