ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

再会(01)

城内の階段を登った男性と女は一つの部屋まで歩いた。

部屋の入り口には【団長室】と書かれた板が打ち付けられている。

「ここです。ここが団長様とローラ教官のお部屋です。今…ボクが取り次ぎますので、お待ちください」男性は女へ説明してから、大きなドアをたたいた。

コンコンコン、と音がした。

「…失礼します。……ローラ教官。教官のご友人と申される方が、おいでになりましたが」男性は僅かにドアを開くと、首だけをその中に突っ込んで話した。

女性の声が聞こえた。

「あ…そうなの?バーナード君、顔だけじゃなくて…全身を部屋に入れなさい。重要な報告の際も、そんなんじゃダメでしょ?」

「す、すいません、教官。おっしゃられる通りです…」男性が詫(わ)びるや、女性の声は返した。

「…お客さんには入ってもらって。アタシ…今、手というか…目を離せないから。そこらへんのイスに座ってもらってちょうだい」

「はい」男性は答えてから、部屋の外にいる女へ向き直った。

「…と、いうことですので…。教官は机に向かって、何やら書いているご様子です。長イスがありますから…そこでお待ちください。それでは、ボクはこれで」男性は会釈してから、階段を降りていった。

男性へ「わざわざありがとうございました」と女は小さな声で述べてから、少しだけ開いたままのドアを開けて、【団長室】に入った。

ドアを閉めた女は、部屋の入り口近くに並んでいる革張りの長イスを見た。

長イスの表面はバリバリに割れている。

…古いものなのだろう。

女も知っている騎士団の紋章が描かれた旗がある。

また、『王家の紋章』も壁にある。

盾や剣が飾られている。

戸棚の中に収納されているのは、厚い冊子だ。

こちらに背を向けて座っている女性は書類へ何かを記している。

女性はゆったりとした異国の衣に身を包んでおり、その衣の色は柳色であった。

その女性が口を開いた。

「ごめんなさい、お客さん。今ですね…難解な計算の途中なんですよ。アタシ…昔から…数学が苦手でして。今はね…家計簿つけているんです。夫がいつもは、つけているんですけど…4日前にザランダまで会議に出かけて…それで。…夫は事務作業を長くやってたから…こういうのは上手なんですが。息子が帰ってくるまでに終わらせておこうと思って…今、がんばっているところなんです」女性の髪はゆらゆらしている。