ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

澄んだ空(01)

秋なのか、冬なのか…。

炭鉱都市ゴルランドに入った女は空を見上げた。

19本の長い煙突から排出される煙によって、以前は隠されていた空がよく見える。

その空は澄んでいる。

数えたところ……煙を出している煙突は……8本だけだ。

その煙も薄く細かった。

町の中ではたき火を囲んでいる人々がたくさんいる。

広い空き地には大量の木箱が置かれ、天幕が張られている。

地面に座り込んだり、しゃがみ込んでいる子供たちがいる。

…男も女も皆、疲れ果てた顔をしている。

槍を持った男が女へ声をかけてきた。

「ちょっと、ちょっと、ねえさん」

「…はい?」女が応じると、男は歩いてきて言った。

「赤いのは、ダメ。黄色いチョコボ以外は町に入れないで。黒や赤いのは、危ないでしょ?凶暴なんだから。町の外につないできてよ」男の年齢は30歳から40歳の間に見える。

「…す、すみません。この…チョコボを売り払える店か何か、ありますでしょうか?」女は赤チョコボから降りた。

「店…?あー、ならさ…あっちの方。あっちに…モンスターを買い取る店が建ってるから。そこに行ってよ」槍を握る男が指をさした。

「…ありがとうございます」女は頭を下げた。

女と男の会話を赤チョコボは聞いていたが、人間たちが何を話しているのかまでは分からなかった。

女はすぐに指示された方向へ赤チョコボと共に進んだ。

しばらく行くと、獣の臭いが鼻を突いてきた。

大型の倉庫をそのまま使用しているモンスターの販売及び売却店舗の前で女と赤チョコボは立ち止まった。

…モンスターの鳴き声がうるさい。

倉庫の出入口から髪の生えていない男がにこにこして出てきた。

「いや〜おじょうさん。いらっしゃ〜いませ〜。もしかして、その赤チョコボを売りたくて来たんじゃないの〜。違うかしら〜?」

女はうなずいた。

「はい。そうなのですが…」

髪の生えていない男は両手をすりあわせて、笑った。

「そ〜ですか、そ〜ですか〜。こ〜みえても、私、店主なんです。ん〜ん〜ん〜。いい、いい、いい。赤チョコボは、珍しいですよ〜。ん〜、大きな傷もないみたいね。ん〜、静かな鳥ですね〜。かなり、いいです。これなら〜そうね〜、うん、うん、うん。……5000ギルで、ど〜でしょうか?おじょうさん」

女は返した。

「それでかまいません」と。