ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

大地の光(02)

旧友と会う前のローラの日記にはこうある。

‘…アタシは『聖剣技』を団員たちに教えているのだが、時々、怒鳴ってしまう。いけないと、頭では分かっているのに。「そんなんじゃ、全然ダメでしょ!!」「何度、同じことを言わせるの!!」などと。先生はこうではなかった。どんな生徒であっても、けっして怒ったりはしなかった。アタシが思うに先生の前では、できる生徒もできない生徒もいなかった、と思う。アタシ自身、先生から怒られたことがない。先生と課業時間を過ごしていたら、いつの間にか、剣技を使えるようになっていたのだ。これは本当に不思議でしかたない。アタシは、先生みたいには、どうやってもなれそうにない。先生、先生、また会いたいです。今のアタシだったなら、先生と互角に戦えるかもしれません。いえ、だめです。今のは取り消します。先生は、強すぎますから。先生がいなかったら、あの事件によって騎士団は無くなっています。アタシも夫も『鋼鉄鳥団』の手にかかって、死んでいたと思います。あの時のことを思い出すたび、よく生き残ったな、と感じては身体が震えてしまいます。先生、先生がアタシへ授けてくれた剣技と『夕霧』をはじめとする剣(つるぎ)の数々、そして『大地』の結晶、どれも、すばらしいです。アタシ、先生に会えて幸せでした。先生、先生ほどの恩師にはアタシはもう二度と会えないと思っています。先生がアタシ達に教えてくれたこと、これからも守り続けていきます。先生、アタシこれでよかったですよね。先生、どこかで生きておられますか?同じ空の下にいても、もう会えないと思うととても悲しいです。でも、先生の存在はアタシと夫と騎士団を支えています。先生は本当の騎士です。先生がすべての罪を一人で背負ってくれたから、騎士団はいまも残っているんです。先生の偉業を知らない者は多いけれど、アタシは知っています。夫だって、おぼえています。先生、もしも万が一にアタシと再会したら、その時はアタシをもう一度、弟子にしてください。あと、夫も弟子にしてやってください。お願いします。先生、今日も『大地』の結晶は光っていますよ…’

ローラ・ミリシャス、旧姓名ローラ・ファガルスは、60歳で死去する。

彼女の死後、イヴァリース国王家直属の騎士団団員たちへは自身の母から剣技を受け継いだローラの一人息子、ロアックが『聖剣技』を教授していくこととなる。

ローラの夫である、フリードリヒ・ミリシャスは妻のあとを追うかのように、急激に体調を悪化させて66歳で永眠した。

騎士団の団長と副団長を務めていた二人は、いつも仲の良い夫婦として知られており、ローラとフリードリヒの訃報(ふほう)には、たくさんの者が悲しんだという。