ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

ハーディー家

アリシアの家族を語る際には、彼女の祖父について触れておかなければならない。

アリシアの祖父にあたる人物は、アルフレート・ハーディーという。

ハーディー家は下級貴族の一つであるが、一族は衰退し続け、今にもイヴァリースの地から消え去ろうとしていた。

そのような状況でハーディー家に男児が生まれる。

これまでのハーディー家の歴史と照らしあわせても異彩を放つほど、学に優れた子・アルフレートはその類まれな才能をシュリーフェン・マンシュタイン公爵から認められ、彼は文官として起用されるに至った。

このシュリーフェン・マンシュタイン公爵とは国王デナムンダII世の教授役であった人物であり、畏国が他国と戦争へ突入した際の基本計画を考案した人物である。

また、軍事に精通していたマンシュタイン公爵は自らの知識を活かして多くの著書を残し、イヴァリース国の国軍創設にも尽力した。

一時は武官となったが、すぐに士官学校の教官へ転向したボーアダム・ダーラボンもマンシュタイン公爵の教え子の一人であった。

ダーラボンとアルフレートは同期生ではないものの、両名の差は歴然としており、「『…お前に文官は無理だ。…ぎりぎりで武官の尻尾だろう。お前には才がなさすぎる。お前の得意なことは相手が眠くなるようなおしゃべりだけだ』」と…公爵様から苦笑交じりに言われました」と、後にダーラボン本人が述懐している。

当時のイヴァリース国での武官と軍人の違いは、「その者が国軍へ所属しているか否か」である。

さて、アルフレート自身は爵位を有している貴族の一員ではなかったが、その聡明さを公爵だけではなく、国王からも高く評価された彼は王の宮殿に入ることを許された殿上人(でんじょうびと)の一人となった。

そして国王から重用されるようになった彼は、若くして上卿(しょうけい)の身分を王より与えられる。

そう、彼は畏国国王デナムンダII世及びIII世及びIV世へ相談役として仕えた重臣であり、さらに元老院の長も長期間勤め続けた。

このアルフレートがいたからこそ、国王と元老院の間に意見の相違が生じなかった、ともいえよう。

知恵に優れた学者である彼は「ハーディー卿(きょう)」「ハーディー博士」と呼ばれ、鴎国との戦においてもその博識を活かし、国の参謀として国王を支えた。

ルフレートは官吏であっても武官ではないため、ダーラボンのように「国軍付き武官」として王家の命を受け、戦場へ派遣されることはなかったが、彼の代でハーディー家は奇跡の復活を遂げ、同家は弱小貴族からの脱却を果たしたのだった。

 

●アルフレート・ハーディー

アリシアの祖父。

畏国国王の重臣

“国防の父”シュリーフェン・マンシュタイン公爵の一番弟子。

国王デナムンダIV世が死去した後に官吏を退官し、その七ヶ月後に老衰のため逝去した。

フレシア先生(ベアトリス)とも一度会っており、国王より金色の剣を賜った彼女へ声をかけたのは彼である。

また、武官であるアグリアスの父親も彼を知っている。

アリシアはアルフレートを「おじいさま」と呼んでいた。

 

●ケリー・ハーディー

アリシアの祖母にあたる人物。

ルフレートの妻で、アランの母親。

元はアルフレートの秘書であった。

年上のアルフレートと愛しあうようになり、彼と結婚する。

生来病弱であったためか、息子・アランを出産した後に死去。

彼女を深く愛していたアルフレートは、妻の死後に再婚しなかった。

 

●アラン・ハーディー

ルフレートとケリーの一人息子。

ルフレッド及びアリシアの父親。

幼い頃から父親が多忙で母親もいなかったためか、精神的に未成熟なまま年齢だけを重ねた不幸な人物。

彼と彼の妻の放蕩(ほうとう)ゆえに、父・アルフレートが再興を果たしたハーディー家は再び、淪落(りんらく)の淵へ沈んでしまったのである。

さらに未熟で幼稚な彼には悲惨な末路が待ち受けていた。

アランは妻と共に殺害されて、ハーディー家の屋敷も全焼した。

 

●サラ・ハーディー

アランの妻。

旧姓、デグラス。

ルフレッド及びアリシアの母親。

アランとの交際中に妊娠が発覚したため裕福そうな彼へ結婚を迫り、彼の妻となる。

この時、実際に腹へ宿った子供はアランの子ではなく、別の男性の子である。

生まれてきた男児は、アルフレッドと名付けられた。

夫を支えることや育児も放棄して遊び暮らし、複数の男性とも浮気を繰り返していた彼女は、その夫と同様悲惨な末路を迎えた。

サラは夫と共に殺害されて、ハーディー家の屋敷も全焼した。

また、彼女には妹が一人おり、その名前をエリーという。

エリーはサトラ家に嫁いでいて、エリーの夫の名はイアンである。

 

●アルフレッド・ハーディー

アリシアの兄。

ルフレッド本人もアリシアも知らなかったが、実はアリシアと彼は母親が同じであっても、父親は別人である。

ルフレッドはアランの子ではない、ということだ。

あることをきっかけとして、アランはこのことに気付いた。

ルフレッドは狂った両親の影響で精神に深手を負ったアリシア唯一の心の支えであったが、士官学校へ入学後、モンスターに襲われて死亡してしまった。

妹思いの心優しいアルフレッドを失ってからのアリシアしか、彼女の友人たちは知らない。

“氷の仮面”で本性を隠す前のアリシアを知るのは多分、このアルフレッドだけであろう。

 

アリシア・ハーディー

ルフレッドの妹。

アグリアスやラヴィアンの友人。

ある者から渡された書物により「この世界の真実」を知ったことと、最愛の兄の死を契機に自らの両親へ復讐を誓う。

彼女がラムザ達と行動を共にしていたのは、この計画実現のためだといえる。

美麗な姿形とは裏腹に激流のような憎しみを“氷の仮面”で閉じ込めることによって、自身の心を保っている危険な女である。