ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

物語の森へ

私が中学生の頃のラムザ像は、“弱い立場にある人を放ってはおけない正義感あふれる青年剣士”だった。

世間の裏方にその身を隠し、二つの大きな騎士団が全面衝突するのを未然に防いだり、ルカヴィと呼ばれる化物を倒したり、強大な力を宿している『聖石』を悪用しようとする者の手へわたらないように収集したりする。

そして、最後にはイヴァリースという世界からその姿を消してしまう。

あんなに一所懸命に戦って、恨みを買い、命を狙われ、“世界”を救ったが、ラムザとその仲間たちは誰にも感謝されることはなかった。

仮に全てが終わった後、イヴァリースの世界にラムザがとどまっていたとしても、さらなる悲劇が彼を襲ったであろうことは容易に想像できる。

いつの時代も英雄や革命家という存在は最終的に邪魔者扱いされ、処刑されるか追放の憂き目にあうものだ。

都合よく“不慮の事故”にあい、死去するということもよくある。

ラムザに関していえば、異界よりイヴァリースの世界へ帰還することがなくて、むしろ幸いであったといえるほどではないのか。

 

さて、この二次創作小説をゲーム『ファイナルファンタジータクティクス』のシナリオ進行と照らし合わせた場合、いったいいつの時期(チャプター)と重なるのだろう?

登場人物たちの発言からいくつかの手がかりを得れるが、結論から述べるとラムザアグリアス・ラヴィアン・アリシアが現れる文章の多くは『ファイナルチャプター』へ属しており、次のシナリオ進行としては『オーボンヌ修道院』に突入して最終決戦へと進むのみ、という状況にある。

しかし、素直に修道院へは行かず、ランダムエンカウントや『ディープダンジョン』にて、キャラクターへアビリティを覚えらせたり、レベル調整をしたり、モンスターを狩ってはせっせと『密猟』をしている、といったところであろうか。

「妹・アルマは神殿騎士たちに捕らえられてしまうが、決して殺められることはない」という真実をある女性からこっそりと教えられたラムザは、行く先々で立ちふさがる定められた敵対者が消え失せたイヴァリース国内をのびのびと行き来しているのだ。

 

又、各々の固有登場人物で自軍へ組み込める者たちとの関係は次の通りとなる。

これは“正式たる”裏設定となっているのであるが、あえてここに記す。

 

ラヴィアン・アリシア・ラッドは仲間にしてある。

その内、ラッドは戦場で戦闘不能となり、クリスタルと化した。

 

スタディオは一時的には仲間へ加えたものの、彼は父親の工房に戻り、鉄巨人の起動に立ち会った。

だが、起動実験は失敗。

鉄巨人が爆発炎上したため、父親とともに事故死した。

小型の高性能核融合炉を搭載していた鉄巨人の事故により、『機工都市ゴーグ』は半分ほど廃墟となってしまっている。

 

アグリアスさんはもちろん仲間にしてある。

そうでなければ、この文章どころかこの二次創作小説自体が成立しない。

 

特殊なチョコボ・ボコは戦闘中に死んでしまった。

フェニックスの尾』や蘇生魔法は間に合わなかった。

 

ラファ&マラーク兄妹はバリンテン大公が死去し、ついに念願の自由を得られたので仲間には加えなかった。

「故郷を訪ねてゆったりと旅をしてみてください」兄妹へそう言い、にこっとラムザは笑った。

 

オルランドゥ伯爵はおおやけには「ゴルターナ公爵を殺害後、自害した」こととなっているため、仲間へ加えた。

ただし、彼が人目に触れるのはそれなりの危険がともなう。

彼の放つ『全剣技』の派手さを考えてみよ。

伯爵に茶色いフード付きマントを着せておくだけで誤魔化しきれるものではない。

よって彼には『ディープダンジョン』へと潜ってもらい、そこで余生を楽しんでもらっている。

伯爵にとっても老後の戦ほど、楽しいものはないであろう。

 

メリアドールさんは行き場の無いかわいそうな女性だ。

仲間へは加えずに単独で別行動をとってもらい、彼女にしかできない重要な任務を果たしてもらう。

教皇フューネラルが死亡したとはいっても、グレバドス教会そのものが無くなったわけではない。

あのザルモゥ以外にも、異端審問官はいるだろう。

そのうちに異端審問会も機能するかもしれない。

ここイヴァリースでは、“異端者”の烙印を押された人間は、どれほど生きるのが困難となることであろうか。

ラムザは自身の経験からこれを見過ごすことはできない。

したがって、メリアドール女史には教会内にある「ラムザ・ベオルブは“異端者”」という証拠をできる限り、抹消してもらっている。

教会という組織の内情に通じている彼女にこそ最適な役目だ。

メリアドール女史の他にどこの誰がこれを行えるというのか。

 

酒場のマスターと話したあと、ベイオウーフは雇った。

ただし『ゴルランドの炭鉱』をクリアした後、ホーリードラゴンとベイオウーフには“愛の逃避行”を続けてもらいたかったため、仲間へは加えなかった。

これは相手を想ってのこと。

他意はない。

あるほうが不思議だ。

愛しあう一人と一匹の仲を裂く必要性は見当たらない。

そう、ラムザは『聖石』集めなんて、正直どうでもいいのである。

ラムザ自身、『聖石』集めを目的としてイヴァリース各地を移動していたのではない。

行動の結果、『聖石』が彼の手元に集まっていっただけだ。

例えば『聖石』を全てそろえると「どんな願いでもかなえてやる!」と人語をしゃべる巨大な竜が空に出現するのか?

残念ながら、そんなことは起こらない。

 

クラウドが召喚されるよりも先にムスタディオは事故死してしまった。

『機工都市ゴーグ』も筆舌尽くしがたいほど、ひどい状態となっている。

ビブロスは仲間に加えなかった。

アパンダもどきの正体不明の生物には使い道が見当たらない。

 

このように列挙すると、アグリアス・ラヴィアン・アリシアラムザと共に行動しており、オルランドゥは基本的にラムザ達と別行動をしているということになる。

後に彼はラムザ達へと合流する。

メリアドール女史は重要任務に専念しているゆえ、ラムザ達と二度と会うことはない。

オルランドゥが加わった五人組は最後に『オーボンヌ修道院』へ入ってゆくのである。