ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 ここは『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があるサイトです。

城外へ

ちからのちがい

女騎士は制服姿の初老男性と口ヒゲの男の前にいた。 二人の男は立ったままで女騎士の話を聞いている。 すると、そこへ片目の女がやってきた。 片目の女「『ローラが一人で戻った』と、聞いて…。『ケガをしている』って…。どうですか?ギレさん、カールさん………

深意(02)

ローラ「…昨日、いや、その前日か。…少し間違うと、アリシアを除く誰か…死んじゃってたかも…しれないんだよね。…みんな、ごめんね。本当に、どうかしてたよ…」 頭を下げるローラにアグリアスは、ぼそぼそと言葉を続けた。 「それは…私も悪かったわ…。初めて…

深意(01)

貿易都市ドーターへ到着した私たちは町の北に広がるスラム街を避け、安価な宿に入った。 今日一日はこの町で過ごし、必需品の購入を行う。 店主から案内された部屋は四人で使うには狭く感じたが、一泊しかしないため…まあ良かろう。 ……昼になると、外出して…

隊長誕生(08)

立っていた三人は自然に涙を流し始め、それぞれが謝った。 ラヴィアン「ごめんなさい…アリシア……」 ローラ「ごめん、ごめん…アタシ…どうかしてた……」 アグリアス「すまない…ごめんね…アリシア、ローラ、ラヴィアン……」 アリシア、と呼ばれた女騎士「わたしに…

隊長誕生(07)

女騎士は続けた。 「…アグリアスが自分を『隊長』と呼んでほしい、と発言したこと自体は誤りではないよね。この言葉には何一つ、問題点は認められない。隊の中でのアグリアスの立場はラヴィアンもローラも心の奥底で理解しているはず。ただ…今まで、というよ…

隊長誕生(06)

興奮状態が次第に次第に冷めてゆく三人の女騎士へ女の声が聞こえた。 女の声「そろそろ…やめなよ。三人とも…ケンカはやめて…。こっちへ来て……」 その声にアグリアスとラヴィアンとローラはお互いの顔を見交わした。 ラヴィアン「きょ、今日は…ここまでにしと…

隊長誕生(05)

アグリアス「…ローラ、貴様ッ!!不純な異性交遊を求めたうえに、父上と母上から賜(たまわ)った清浄なる肉体へ…二箇所も自ら穿(うが)つとは…お前は、異教徒なのかッ!!」 ローラ「あっはっはっ。いつの時代にお生まれなのかしら?アグリアスぅ隊長ぅ様…

隊長誕生(04)

…………。 …いつも、こうだったな。 いつだって、わたしの身近には『争い』があった。 人間同士の『戦い』があった。 わたしを…そこから救い出してくれる…お兄ちゃんは、もう…いない。 わたしを守ってくれるお兄ちゃんは、もういない。 わたしは…いつになったら…

隊長誕生(03)

「……。……イヤだ、と言ったらッ?」ローラは目を光らせて低い声を出した。 アグリアス「…イヤだ、だと!?私を拒むのならば…王都へ戻ることだな。与えられた任務を中途で放棄して去れ。尻尾を巻いて、逃げるがよい!…この腰抜けどもが!!」 「…なにが、どこ…

隊長誕生(02)

私「…このまま進み続けると…三日後の夜には、修道院へ着く。…明日はドーターの方向へ歩く予定。ドーターで一日滞在してから…次の日には南東の方角へと進む。モンスターや匪賊(ひぞく)の妨害が入らなければ…これでいいと思う。…この移動計画に変更を加える…

隊長誕生(01)

炭鉱都市ゴルランドを抜け、南下した。 ゼクラス砂漠へ行く道ではなく、アラグアイの森の近くを通る細い道を歩いていると日が暮れてきたため、森の前にある小屋で休むことにした。 この小屋は杣人(そまびと)の物置だったらしいが、今は使われてはいない。 …

道中(02)

やりきれない顔をしている女騎士の背後で三人は続けた。 ラヴィアン「そっか、そっか〜。じゃ〜、ローラもあたしと同じだね。あたしらの中では、ローラが一番早いと思ってたのに」 ローラ「アタシもそう思ってた。でも…さあ…。…だいたい、それ言うんなら、ク…

道中(01)

四人の者たちが歩いている。 四人とも、それぞれ白いマント姿でかぶとと盾を手に持っている。 泥が踏み固められた道を進む四人の中で一人が笑った。 女騎士「あはははははは…。なんで、そこで戦うかな〜?バカじゃないの?あははははははは…」 別の女騎士「…

出発直前(02)

「そうそう。…おっと、これこれ。これを…渡しに来たんだった」片目の女はアグリアスへ小さな記章を手渡した。 「?……“聖騎士の証”…ですか?…し、師よ…私は持っております。この…ように…」アグリアスは自らが着ている士官服の左襟を指し示した。 片目の女「う…

出発直前(01)

真新しい士官服を着用した若い女は続いて、肩とひざと胸へ装甲板を装着した。 次に腰のベルトへ剣を下げた若い女は白いマントも頭からかぶった。 ……おお。 ぴったり…。 マントは多少…大きめであるが……。 この服は…よい。 鏡の前で自らの姿を確認していた若い…

恩師(11)

「そして…もしも、迷った時には自らの『良心の声』に従いなさい。あなた達一人一人に宿っている魂は、細い細い見えない糸で神様へとつながっている。…人は利己的な自らの心に従う限り、何でも悪いことができる。しかし、『良心の声』に従うならば、悪い行い…

恩師(10)

先生「……‘すべてのものはそのままで最高の価値をもっている’…ものと言っても、手で触れて形のあるものだけじゃなくて、目にみえないもの…例えば人の心もそうなんだよ」 四人の様子を見て、先生は続けた。 「…わたしの持ってきた、この刀。これは、 『夕霧』…

恩師(09)

先生「……。『静める水』。 わたしが夫から教えてもらったことなのですが、昔、ある学者がこんな実験をしたそうです。 二つの同じ器に同じ所から汲(く)んできた水を同量入れます。 そして片方の水には『大好き、愛してるよ』と声をかけ、もう片方の水には『…

恩師(08)

先生「……。『堅(かた)き大地』。 我々の立っている大地は、とても硬いものです。 しかし実は、ただ単に硬いだけではありません。 地面から植物が小さな芽を出します。 また、土の中へと穴を掘って暮らす生き物たちもたくさんいます。 このように堅牢(けん…

恩師(07)

先生「……。『猛(たけ)る火炎』。 すさまじい勢いで燃え広がる炎をすぐに止めることは、誰にもできません。 炎は全てを焼き、焦がし、形あるものの上を蹂躙(じゅうりん)します。 その力たるや、他の追随(ついずい)を決して許しません。 怒り狂った火の…

恩師(06)

先生「……。『天吹く風』。 空を吹き抜ける風は全てのものへ影響を与えています。 炎も大地も水も、その影響下にあります。 逆をいえば、風を制するものは全てを制することができましょう。 周囲の全てへ影響を及ぼすものは自らを律(りっ)しなければなりま…

恩師(05)

ローラが質問した。 「それは…外国の衣服、ですか?」 先生「うん。…これはね、呂国で倭服(わふく)と呼ばれる着物なの。元は東国の品で、呂国まで海を渡ってきたんだ。…亡くなったわたしの夫の実家は戦争の間も海外に行って商いをしていて、その時の貿易の…

恩師(04)

四人はイスのところまで戻った。 女はそれに続いた。 やはり、女が歩くたびにいい音がする。 四人は先程まで座っていたイスへ腰掛けた。 女は教壇の前まで進んできた。 女「…わたし、ジョブチェンジするね」 「???…ジョブ、チェンジ…ですか?」四人は女の…

恩師(03)

ローラ「…いいですよ、何でしょうか」 ラヴィアン「おいしいものなら、嬉しいんだけどな〜、せんせ〜」 アリシア「先生のくれた『ボムクッキー』おいしかったですよ」 アグリアス「とても、美味(おい)しゅう菓子でございました」 女「あ、そう?…わたしさ…

恩師(02)

女「うふふふ…。やっぱり、そう言ったか。…気にすること、ないよぅ。教官長はそう言うしかないんだもの。…いつもみたいに話も長かった?」 アリシア「…はい。長かったです」 女「うん。……多分、カール教官長からは…“今まで通りにやればいい”とか、“演習や訓…

恩師(01)

アリシアは右側を向いて三人の様子を観察した。 ラヴィアン「急に…不安になってきたよ……」 ローラ「思っている以上に…重大な任務なんじゃ…」 「…………」アグリアスは難しい顔のまま黙っている。 ラヴィアンはイスへ座った。 ローラは辞令を折りたたんだ。 それ…

護衛任務(02)

口ヒゲの男「ここから、オーボンヌ修道院までは7日とかからずに着くであろう。急ぐことはないぞ。ゆったりと行け。むしろ、目立たぬように町中や舗装された道を歩かないようにせよ。何者かに我々の動きを嗅ぎつけられたくはないのでな。修道院へと到着したら…

護衛任務(01)

広い会堂の正面には長方形の教壇(きょうだん)があり、その後ろに王都を中心として描かれた大きなイヴァリース国の地図が貼られていた。 教壇のある所は一段高くなっており、その手前に四つのイスが置かれている。 イスには右から、アグリアス、ラヴィアン…

四人の女騎士(02)

質素な部屋の中には、ベッドと衣装ダンス、小さな机以外に目ぼしいものはない。 ローラ「一人部屋…いいな〜〜」 ラヴィアン「すんごい憧れなんだけどー」 「???…あ、そうなの?…はい、これ」アグリアスはラヴィアンへ記章を手渡した。 ラヴィアン「…うわ…

四人の女騎士(01)

四人の女たちは縦に列を作り、灰色の大きな石畳(いしだたみ)を進んだ。 石畳の周りには草が生えていて、奥には木が何本か立っている。 すれ違う教官へ四人は立ち止まり、敬礼した。 教官が歩き去った後、四人は再び歩き始めた。 四人とも無言である。 四人…