ふるいものがたり

いらっしゃいませ。 このサイトには『ファイナルファンタジータクティクス』の二次創作小説があります。

四神の結晶

手紙

老人は、チョコボに水をあげていた。 チョコボは数十羽もいる。 柵の外へ老人は何の気なしに目をやった。 老人「…おんや、まあ…」 桶を手に持ったまま、目をやった方向に老人は進んで行った。 柵の出入口まで、一羽のチョコボが歩いてきた。 そのチョコボの…

居場所(02)

先生はラヴィアンの頭をなでながら、続けた。 「……この建物はね、元々は船…軍で使う輸送船を造るための部品を保管しておくのに使用されていたんだって。町の西側に大きな港があって…『エリオ港』という名称なんだけど…。『エリオ港』はロマンダ内でも、かな…

居場所(01)

ラヴィアン「そうなんだ…。そんなに…ローラ、強くなったんだ…」 先生「そうそう。『聖剣技』を全て修めてから、他の剣技も全部修得してね…。剣術も、めきめき上達したし…。ローラが騎士団の教官たちから『剣術士』って、認められた後…わたし、“皆伝の証”とし…

記憶の引き出し(04)

先生「………大好きな人やものを失うとさ……『自分とはいったい何なのか?』…そればかり、考えるようになるんだ。一人でそればかり、考え続けて…。何も食べたくなくなるし、眠れなくもなる…。毎日が長く感じてさ……そう、存在しているのが…つらいの……。わたし…あ…

記憶の引き出し(03)

ラヴィアン「…アグリアスも『師へお会いしたい』と、いつも言っていました。先生なら、ラムジャさんともすぐに仲良しになれると思います。あの……先生の姓は…お亡くなりになられたご主人のものですか?」 先生「そ〜だね。『マカリオス』というのが、わたしの…

記憶の引き出し(02)

先生「うん。ラヴィアンやアグリアスが城から出て、行方不明になってから…お二人がわたし達のところまでお越しになったの。お二人とも、一人娘をとても心配してて……。わたしがお二人とお会いして、お話をうかがったんだ。…お父さんは小さなアグリアスを描い…

記憶の引き出し(01)

『炎』の神様の力を封じた結晶を見ていた片目の女は、声を上げた。 「あ〜ッ!!思い出したッ。コレ…わたしが、あなた達へ渡したものだ…。今まで、すっかり忘れてたよぅ」 ラヴィアン「もう…。忘れないでくださいよ、先生ッ。あたし、大事にしてたんだから〜…

炎のかたち(02)

女「……へ〜。とても…かんじの良い人、だったから…。おいくつですか、れいむ…さんは…」 先生「んーと…。……25歳、だったような……。明日も来るだろうから、本人に聞いてみなよぅ」 女「…あ…はい。でも…きちんと…おしゃべりできるかな…」 先生「大丈夫だって〜。…

炎のかたち(01)

漆(うるし)塗りの食台には様々な食べ物と器や皿が並んでいる。 酒のビンは床に直接、置かれている。 片目の女へ別の女は言った。 「先生…以前とは、髪型…変わりましたね…」と。 先生「ん…うん。今日さ、近所にある美容院まで用があって行ったんだ。そうし…

記憶の実(02)

先生「そうそう。…ロマンダには、イヴァリースのように黄色いチョコボはいないんだ。ここでの野生チョコボというのはさ、『プックル』と同じ茶色のチョコボと水色のチョコボと薄緑色のチョコボと黒チョコボのことを言うんだよね。黄色と赤のチョコボはいなく…

記憶の実(01)

道場の玄関には茶色いチョコボがしゃがんでいる。 ラヴィアン「このコは『プックル』という名前なんです。トンヌラさんが『一番賢いチョコボだで〜』って、言ってました」 先生「へ〜。『プックル』か。……ねぇ、『プックル』、何か欲しいものある?」 その声…

ベマ先生(05)

先生「!!!!ふ、ふわ、わぁあああああ…。あっ、あわわ、わわわわぁ…。う、ふぅ…ふわあ…あぁ…うう…ふえっ…ッ…」 先生の両胸を揉むラヴィアンは、ぼそぼそと言った。 「………。ふむ、ふむ……この、この…小ぶりな胸……。……そう、これ…これ。間違いない……フレシア…

ベマ先生(04)

ラヴィアン「え、え、えええーーーッ!!!…せんせぇ…ウソついてたんですかぁ!?…ダメじゃないですかぁ!!そんなことぉ!!」 先生「ごめんなさい……。そう、だね。その通りだよ…。ごめん、ラヴィアン……」 頭を下げて謝る相手を見たラヴィアンは恐ろしいこ…

ベマ先生(03)

ラヴィアン「いや〜〜その……何といえばいいのかな……。深い…とても深い…“時の流れ”に飲み込まれてしまって……。仲間…アグリアスたちとも、離れ離れになってしまったんです…。気がついたら……あたし、一人で山の中に倒れていて……」 先生「……ふ〜ん。すごい体験し…

ベマ先生(02)

ガララララ、と戸を引く音がした。 女の声「……あら、どうしたの?」 女の声が聞こえたため、いつの間にか顔を伏せて眠ってしまっていた女は目を覚ました。 「………へ〜え。ずいぶん…懐かしい姿してるね。今…流行っているの?」 戸を引く音がもう一度聞こえ、暗…

ベマ先生(01)

「あーーーーー。あたし……いったい、何やってんだろう…。……どうして、ロマンダにいるんだろ?ラムジャさんやアグリアスは……どこに行ったんだろ?………ここにいるっていう、『ベマ先生』に会ったからといって…何がどうなるんだろう。仮に…仮にだよ、『ベマ先生…

夕日(02)

男の子と女は玄関のところへ腰かけて待つことにした。 二人は木刀を振るい続ける子供達を見ていたが、いつまでたっても道場の主(あるじ)は帰ってこなかった。 ………男の子の兄の言葉通りに“本日の稽古”は終了したらしい。 体格のいい男が「今日はここまで。…

夕日(01)

太陽が傾いている。 広い敷地へチョコボに騎乗した男の子と女は進んだ。 敷地の地面は木蘭色(もくらんじき)の土と砂で覆われている。 先に茶色いチョコボから降りた女はさびた鉄の柵に手綱(たづな)を結びつけ、男の子を鞍(くら)から降ろしてあげた。 …

陽炎(かげろう)

酒場から出た女はチョコボのところへ歩いた。 細い街路樹につながれた茶色いチョコボの近くには三人の人間がいた。 男の子の他に老いた男女がチョコボを見ている。 女は声をかけた。 「あの……」と。 男の子が答えた。 「あ、おねーちゃん!」 老いた男女は、…

住んでるひと(02)

店へ入ってきた風変わりな客にきれいなバンダナを巻いた男性は言った。 「いらっしゃい〜。どこから来たの?海外の人かい?」と。 「…まあ…そうです。ええ〜〜と…何か…何か、飲みもの…一つ、出してくれませんでしょうか…」女はドキドキして返した。 「おお、…

住んでるひと(01)

「ここ…が…『ナバルの町』…なの!?ねえ…『プックル』…」女がチョコボへ聞いたところ、チョコボは「ク〜」と鳴いた。 海岸沿いに建っている民家を何軒も通り過ぎ、小さな坂を降ってから太い道を進んだチョコボは女を乗せていた。 女は町中をチョコボに騎乗し…

朝日

周囲には緑の丘がある。 朝日はすでに光っている。 茶色いチョコボ達は草を食べたり、走り回ったり、こちらを見たりしている。 柵から首を出している一羽をなでていた老人は話し出した。 「コイツは…甘えん坊なんだぁ。友達と離れたがらね〜んだわ。…そいつ…

チョコボじいさん(02)

「いや〜、久しぶりだで〜。オラ、ヨメさんが死んじまってからさ…ずっと一人で食ってたからよ。オラの娘たちも…嫁いでいってから、ここさ戻ってこないかんな〜。一人で食うよりも…やっぱ、二人で食うとうめえもんだよ〜〜」 大喜びしている老人が作ってくれ…

チョコボじいさん(01)

木で作られた柵の出入口から老人と女は柵の内部へ入った。 「お〜し、ほんじゃ、ごっくろうさん」老人は自らが引いてきたチョコボを解き放った。 「……いっぱい、いますね」ぼろぼろの白いマントを肩から垂らした女は発言した。 「そーだろ。…ほれ、歩いてっ…

旅人(02)

女「家…?」 「んだ。オラ、チョコボ牧場やってるんだぁ。ほら、こいつもその中の一羽だよ」 チョコボじいさんは、チョコボの頭を触った。 女「茶色い、チョコボ…」 チョコボじいさん「山チョコボは、茶色だでよ」 女「『山チョコボ』…?」 チョコボじいさん…

旅人(01)

鳥の目には、ごつごつとした岩場が見える。 見慣れた地形の周囲には背の低い草が生えている。 岩場を上空からとらえると、白い小さなかたまりがある。 鳥はそれに寄ることもなく、飛んでいった。 ぼろぼろに裂けた白いマントをはおっているのは、女であった…

笑顔のみなもと(02)

「…ドローちゃんが嫁いでいったろう?あれから、もう1年だ。ラヴィちゃんの歳はさ…工場の近所に建っている…あの士官学校に入るのにちょうどいい歳なの、父ちゃんは気付いた。…国の東の方で、戦争はまだ続いてる。ロマンダは攻めてこないけど、戦争自体が終わ…

笑顔のみなもと(01)

食台を4名の人間が囲って座っている。 「いやぁ〜、鉄板で焼くとは考えたな〜。父ちゃん、さっきまでラヴィがさ…野菜の葉っぱのところやら乾物のいろんなものやらを、器にぶちこんでねちょねちょと、かき混ぜてるの見てて…正直、気色悪かったけども〜。出来…

冷水のはじまり(02)

書物を持つわたしへと異国人はさらに続けた。 「その…三冊の内、二冊の同じ大きさの冊子は『初期設定資料集』と『下書き集』です。そして、もう一冊の黒い本は…『攻略本』といわれるものです。あなたが持っている三冊の本は…あなたにとっての“道標”であり、…

冷水のはじまり(01)

…その日も、わたしは川を見ていた。 すると…それまで聞いたことのない声が聞こえたのだ。 わたしが横を振り向くと、そこには背が高くて、手足が長く、目が大きな……異国人が立っていた。 髪が黒く、瞳は濃い茶色の東国の人間みたいな顔をしている者は言った。…